ふと目に入る腕のそれにいつだろうと考えていた。
記憶を辿って思い返し、でも心あたりは無いとそれ以上考えるのを止めた。
いずれ消えるそんな風に思ってそれきりになっていた。
「あん・・・オッパぁ・・・」
「クク、逃げるなミニョ・・・もう少し・・・」
ベッドで囁かれる声は甘い。
背中に触れる唇と肌の感触と息遣い。
オッパが何をしているのかなんて判らない。
ただ、そこにわたしを大事にしてくれてるって気持ちがある。
楽しんでるだけじゃなくて、一緒に一緒に熱くなりたい。
そんな気持ち。
「ひっやぁ・・・ん」
「クク、ここ、弱いんだな」
「しっ、知らな・・・んッパ・・・」
歯の当たる感覚が、背中にツキンと痛みを走らせ、その後を辿るぬめりが、オッパの息と共に熱を押し付けた。
「ぁふぁ・・・ん」
「はは、ここも・・・」
「知らないですっあんば・・・」
「お前が知らなくても俺は知ってる」
背中を這い回っていた手のひらがふたつ、胸を包んで引き上げられた。
「あ・・・」
「ふふ、良い眺め・・・」
トンと落ちてきたオッパの顎が肩で揺れる。
大きな手に手を重ねても剥がれてくれないそれにザラリとした感覚が胸を押し上げた。
「こっちも喜んでるみたいだな」
「オッパ!!!!」
「なんだよ違わないだろう」
楽しんでいるのか愛しんでいるのか、オッパの思考を覗いてやりたいと思う。
でもそれは、自分も覗かれる様で恥ずかしい。
「ん!?それ・・・」
「へっ!?あ・・・」
オッパの腕と擦れた腕。
その関節の上にあの紫の痣がある。
いつ作ったのか。
いつぶつけたのか。
いつ、紫になったのか。
いずれ消えると考えるのを止めた痣。
「ああ、これは・・・」
「大分、紫になったな」
「へっ!?」
「真っ赤だったのにな」
「はひ!?」
胸から剥がれた手が腕を持ち上げて片腕だけ万歳させられた。
オッパはそれの正体を知っていて、後ろでクスクス笑っている。
「赤かったんだよ!俺がつけたんだ」
「ふぇ!?」
「ふふ、もう一度つけてやろう」
「えっ!?あ・・・んッパ・・・っん」
ツキンと背中に噛みつかれたよりも深くジンと走る痛みに思考が止まった。
唇の圧力と肌を吸い込む吸引力と息を吐く様に離れたオッパの顔が、肩で笑っていた。
「クッククク、紫が赤に戻った」
「ふぇっ!?」
二の腕を見れば、そこに真っ赤なキスマーク。
「あー」
「ふむ、でも、お前からも見えるな」
「は!?」
「背中は見えないからつけ放題なんだけど・・・」
両腕を挙げられて、肩に落ちてきたオッパの視界に入った顔にゾッとした。
「むらさき野、茜に染めけりだったんだけどな」
「はぁあ!?オッパ!?」
ハッとして気が付いた。
着替える時オンニがテギョンssiに言ってたこと。
『あんたねー、いっつも楽屋があるとは限らないのよっ!少しは自重しなさいっ!』
『ふん、それなら俺が何時でも見張っててやる!』
『それが出来ない事もあるかもしれないでしょう!』
『出来ない仕事はさせない』
オッパの独占欲なんだと思ってた。
ただの独占欲。
「オッパ!もしかして背中!?」
「ああ、全部付け直しといた」
「ふえっ!?」
「若いからなぁ痣はさっさと消えちまって面白くない・・・まぁ、だからお前に背中が開いた服を着せられないんだけど・・・」
はははと笑うオッパにそのまま押し倒されたとある日の出来事だった。
映像見て聞いてくれてありがとう!
感想もありがとうございました(=⌒▽⌒=)
また、ふっと落ちてきたら作るかもしれないけど(^^;)
とりあえず、書く方を優先しますm(__)m