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どうしてそんな気分になったのか、それさえも良く覚えていない。
ミニョへの想い。
それは日に日に強くなっていく。
一方で、感情をコントロールしなければと思いながら、どこかで、自分を抑え切れなくて、誰彼、不特定多数に笑顔を返す事は、自分もやってる事だと、そう言い聞かせ、でも、他に笑わないで、俺だけを見て、俺を感じて、俺にもっと触れて、お前を俺で一杯にして、お前を閉じ込めさせてとそんな黒い感情を常に抱えていた。
『オッパ!?どうされました!?』
事の後に僅かに離れた身体が、淋しくて、ベッドから降りようとしたミニョの腕を引き、驚いてこちらを振り返ったミニョとまた視線を絡ませた。
その腕を強く引いて、再びシーツの波間に沈め、柔らかい膨らみに手を添えて、窪む鎖骨の淵に唇を寄せれば、甘い声を零して、首を振るミニョをもっと聞きたくて、嫌という言葉さえも本当に嫌がっていない事を知っている俺の身体が、再び反応を始めた。
『・・・んッ・・・ッパぁ・・・』
全身に丸みを帯びながら捩られる身体は、小さな獣の様に柔らかく、しなやかな動きを見せ、肌を滑る汗は、甘く、熟した果実から零れ落ちる蜜の様にクラクラさせる芳香を放ち、手のひらに伝わる肌の質感は、しっとり滑らかに絹の様な感触を伝え、俺の芯が再び燃え上がって、中心が痛い位に膨れ上がり、一点に狙いを定めていた。
『ぅん・・・ぁ・・・はッ・・・』
俺の肩に触れるミニョの手のひらが、いやいやと首を振る動きに合わせて、指先に力を加え、濡れて、ジワジワと深くなっているであろう快感の色にそれから逃れる様に身を竦ませるミニョの頭を掴み、俺を見るように促せば、脅えた様に揺らいでいる瞳が俺を捉え、オッパと動いた唇にやがて笑顔が浮かび、吸い寄せられる様に柔らかいそれに口づけを与えると、吐息と共に開いた唇が、徐々に入り込む俺の舌を内に内にと誘い込み、深く絡まる様に動き始めていた。
『ん・・・ぁッは・・・』
『もっと・・・・・・したい・・・』
熱く、火照りの収まらない身体に手を触れさせ、ミニョの背中に手を這わせ、細い腰を掴んで、脚を抱えて、腿に乗せた。開かせた身体の中心に俺をあてがい、コクンと小さく頷いた赤い顔が、恥かしそうに俯き、首に回った手のひらが、俺の促すままに持ち上げた腰の動きに合わせて、首を締め付けた。
『・・・ぁ・・・』
『ふ、恥かしいか!?』
解りきった事をミニョに聞く。
向かい合って、俺の前でコクンと項垂れる首は、背中までをも赤く染め、こちらに傾いた身体は、柔らかい膨らみとその先端で、硬く存在を主張している蕾が俺の胸を押していた。
『ふふ・・・』
硬さと柔らかさが混在する感触に思わず笑みを零せば、きょとんとした瞳が俺を見つめた。首を傾けて、何ですかと不思議な顔をするミニョの耳に口を近づけて、内耳に息を吐き出しながら、囁けば、更に赤くなった顔で、俺の肩を叩いた。
『ったいな・・・叩くなよ』
『オオオオッパが・・・変な事言う・・・か・・・ら・・・』
変な事というよりも、それは事実で、俺の上で、身体を熱くしているミニョの中心は、俺が思っているよりももっと熱く潤って、ポタポタと零れる蜜は、俺の吐き出したものと混じって、先程よりも多く零れている。気付いてないとは思えなかった。
『俺が・・・お前の中で溶けたみたいだな・・・』
『・・・・・・・・・』
だんまりを決め込むミニョの頭を引き寄せて、額に口付けた。上目遣いに恨めしそうに俺を見つめる瞳が、揺らいで、俯いた顔に睫が翳を落とし、俺を締め付ける腕が、寒さを凌ぐ為のマフラーの締め付けの様にふわっと腕を回していた。
『暖かいな』
身体は、燃える様に熱く、真夏の太陽に妬かれる様で、それは、いつでも変わらない。抱き合えばいつでも互いの身体を燃えさせ、震えさせる、そんな時間。心が別な意味でポカポカするのは、お前と抱き合っているからだと思いたい。
『ん・・・ッパ・・・』
俺の上で腰を捩るミニョにまた波が訪れている事を知っていた。身体を這わす俺の手のひらに反応を見せるミニョを煽り、煽られ、俺の中心も限りなく燃えている。
『もう一回・・・しても良い!?』
この状況で聞くのは、酷かと思いながらもミニョの口から聞きたかった。俺を求めて欲しい。俺を欲して。そう思いながら、ミニョの顔を覗き込み、潤む中心に手を入れた。
『あっ、ん・・・っ・・・』
柔らかく解れた中心が、スルッと指先を呑みこんでゆく。落ちる蜜に潤滑油の様に手助けをされて、裡へ内へと潜り込ませる指先に反応を見せるミニョの赤らむ頬や首筋に、染まってゆく身体の色に、俺の思考が停止してゆき、ミニョを煽ることしか考えられなくなってゆく。
早く、もっと、乱れて、もっと、俺を求めて、俺をそこに受け入れて、お前に俺を注がせて。
そんな黒い、泥沼の様な感情。
それをお前に注ぎ、俺で一杯にしてしまいたい。
『ミニョ・・・善い・・・の!?』
捻られる腰に指先の角度を変える。あてがう先端が、ミニョの肌を滑り、俺に齎される感覚も間隔を開けて電気が走った様にビリビリと何度も背中を駆け抜けていた。
『ぅ・・・はっ・・・ぁあん・・・っ』
『ふ、洪水だな・・・』
煽る言葉を故意に吐き、ミニョの反応を見つめる。甘くときめく時間。ふたりだけの静かな時。
聞こえるのは互いの吐息。甘い声。近く。もっと近く。一つに溶かす時間。
『・・・ッパ・・・ぁ・・・』
『しても良い!?』
俺自身を掴んで、解れて潤みきったミニョの中心に潜り込ませる為に先端をあてがえば、僅かに引けた腰が、首に回る腕と共に体制を変え、俺の腕を掴んだ右手が、背中に回していた左手を滑る様に撫でて、下を向いていた顔が俺の顔を見つめると、俺の耳の後ろに回った手が、顔を包み込むように触れて、傾いた顔が唇を寄せてきた。
『ふ・・・ぁん』
角度を変えながら俺の口腔を貪ってゆくミニョの唇に応えながら、腰を引き寄せてあてがっていた俺を徐々に深く潜り込ませた。潤んで解れ柔らかくなった襞が、ゆっくりと締め付け開きながら、ミニョの息遣いと共に呑み込んでいた。
『んッ・・・ふ・・・あ・・・ぁあんっ』
『ふふ、柔らかいな』
離れたミニョの唇を淋しく思いながらも引き寄せた顔に頬を寄せて、腰を持ち上げた。角度を変えながら、ミニョの辛くない位置を捜し出し、開かせた脚に触れて意識を他に移させながら、奥へ奥へと潜り込む。
大きく吐き出したミニョの息にクスッと笑いが込み上げて、笑っている俺に気付いたミニョは、また俺を見て少しキョトンとしていた。
『ん・・・ッパ・・・何!?』
『ふふ、いや・・・』
何でもないとミニョの耳元で囁き、緩やかに腰を揺らした。内に感じるであろう俺に小さく声を漏らしたミニョの腕がまた俺を締め付ける。繋がる事に抵抗を見せなくなった身体。触れ合うことには、何の抵抗もなくなってきている。それが、俺を嬉しくさせる。
こうして繋がっているだけの時間。それに抵抗を感じていた頃よりも素直に俺を受け入れて、俺に身を任せて、俺を熱くさせている。離れたくないと何度もこうして繋がって、でも、しがない波が押し寄せる。歓喜の瞬間を迎えて離れる身体に淋しさと共に湧き上がる黒い感情を抑えがたく、消しがたい。これから先も抱えてゆくであろう感情の渦の中で、繋がり閃く悦び。それを分かち合うたった一人との時間が俺に歓びをくれていた。
『あ・・・ん・・・』
『ふ、ミニョ・・・いても良いか!?』
『ぅん・・・あ・・・ッッパ・・・』
緩やかにミニョの背中をベッドに寝かせ、覆い被さった。開かせた脚が俺の腰を締め付ける様に一瞬閉じられ、立てた膝が、裡に感じたらしい俺に震えて、僅かに外側に逃げたが、それを引き寄せて、深く繋がった。ミニョの脚を抱えて、胸の膨らみに手を添えれば、伸びてきた腕が俺の背中を引き寄せた。
『ふふ、どうしたら気持ち良い!?』
熱く仄かな香りを放つ身体に吸い寄せられる様に覆い被されば、甘い吐息と囁きが俺を包んでいた。今日、何度目かの繋がりを堪能しながら俺は、愛しいミニョと一緒にこの黒い感情を抱えてどこまでも堕ちてみようと考えながら、幾度目かの欲望をその細い身体に注ぎ込んでいた。
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