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まだ、結婚前、お話・・・合宿所で一緒に生活するふたりを想像下さい❦
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「・・・ぁっ・・・はぁ・・ヤッ・・・」
「・・ふ、逃げるな!」
「ヤッ・・・ダ・・っ・・・ふ・・ぁ」
深夜に響く妖しい声。
力の入る指先が、白いシーツを掴まえて、絞り込んだ生地が波を描く。
妖しく蠢く腕が下から伸びて、上に下にと動いていた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「あ、あああー!もうダメです!!止めてください!」
バンッと体の横に腕を振り下ろして布団を叩いた。
「ふん!もう降参するのか!?」
「・・・したくないですけど・・・もうダメです!」
上目遣いにテギョンを見上げるミニョは、片目を閉じて口を開け足を引き寄せると抱え込むように脹脛(ふくらはぎ)を摩っていた。
「もーオッパ!強すぎますっ」
「お前が、やれって言ったんだろ!」
はははと笑いながらベッドから降りたテギョンは、四角いケースを持ってバスルームへ入って行く。
「だからって、こんなにしなくても良いじゃないですかー」
大きな声を張り上げるミニョが、ポスンとベッドにうつ伏せになるとテギョンの枕を両腕で抱き込むように顔の下に敷いた。
「手入れは、ちゃんとした方が良いだろう」
水の流れる音が止まって、手を洗ったらしいテギョンが、室内へ戻って来て、ミニョが、横たわるベッドをチラッと見ると机へ歩いていった。
「今日のレッスンは、随分きつかったのか!?」
机の上に置かれたPCを操作しながらどこかへアクセスして椅子に座って、鉛筆を持ち上げた。
「そうですねー!いつもよりきつかったです!」
ミニョが、枕に顔を埋めくぐもった声で答えると、顔を横に向けてオッパはと聞いた。
「今日は、レコーデイングどうでしたか!?」
「ああ・・・」
テギョンは、PCに夢中でミニョの話を上の空で聞いていて、気の無い返事をしている。
いつもの様な返事が無い事にミニョが、眉を寄せゆっくり起き上がった。
「オッパ!?」
「ん・・・」
テギョンは、気の無い返事を続けている。
それを寂しく思ったのか、ミニョの顔が僅かに曇ってベッドの上を這ってくると足元の方に顔を置いて肘を突いて顔を乗せた。
「なに、見てるのですか!?」
指でマウスを操作しているテギョンの背中を見ながら聞いている。
「ああ・・・今日のレコーデイングだ・・・」
「!?撮影したのですか!?」
「ああ、番組の一環でレコーデイング風景を撮影したんだ・・・」
「えっ!いつ、放送ですか!?」
「いや、コレは、使えないな・・・」
難しい顔をしているであろうテギョンの表情が想像できるような低音で、事実、眉を寄せたテギョンは、唇が尖っていた。
「どういうことです!?」
「見るか!?」
「良いのですか!?」
テギョンが、例え自分でなくとも、A.N.Jellが失敗する姿を見せてくれることなど無いだろうと思っていたミニョは、嬉しそうに上半身を起こすとベッドから飛び起きてきた。
テギョンの横に立って覗き込む。
練習スタジオの扉から映し出されていく映像は、直にスタジオ内へ切り替わり、あの大きなガラスの向こう側に4人が立っていた。
その手前の器材ブースにアン社長とマ室長達の頭が見える。
「あれっ!?」
ミニョが、口元に手を当て、グッと画面を見つめた。
「どうしたのですか!?」
「解るか!?」
「ええ、いつもと違いますよね・・・」
「そうなんだ、あいつ、俺にも黙ってて・・・」
ここですよねとミニョが、画像を指差している。
「ああ、どうも何かに巻き込まれて、怪我した様なんだよな・・・」
「け・・ん・・かですか・・・!?」
ミニョが恐々聞いている。
「いや、それは無いと思うんだが・・・」
テギョンは、画像を少しずつ送りながら、チェックをしていく。
「でも、これじゃぁな、お前でも気付く位だからな!外部には、出せないだろ!」
お前でもと言われた事にミニョの頬が膨らみ始めるが、その顔を見たテギョンは、ニヤッと笑うとミニョの腕を引っ張った。
よろめくミニョの体が、テギョンの膝に乗ると、横からギュッと強い力で支える様に腕が廻された。
「オッ・・・オッパ、何を・・・」
「うん!?もっと良く見たそうだから」
ミニョのすぐ目の前ですまし顔をするテギョンは、膝に掛かる重みを軽減するように腰に手を廻して抱え直し、その行動に、落ちそうな感覚を覚えたミニョは、テギョンの首に慌てて腕を廻している。
「しかし、何をしたんだあいつ・・・」
ミニョの顔のすぐ目の前で、テギョンが、不思議そうに唇に指を当てる。
「他の方は、知らないのですか!?」
「社長も変には思っていたみたいだけどな・・・ほら、ここ」
テギョンが、切り替えて映し出した映像にはアン社長の横顔が写っているが、確かに眉を寄せている様だ。
「気付いているみたいですね」
「そうだろ!本当に何をしたんだあいつは・・・これじゃぁ、お前と大して変わらない!プロ意識に欠けるぞ!」
その言葉にミニョの目が釣りあがっていくと瞳が左右に動き、キッとテギョンを見ている。
「ど・う・い・う・意味ですか!!」
「うん!?」
テギョンが目の前のミニョの顔を見てニヤッと笑った。
「事故多発地帯だからな!お前は!」
ぷーっと膨れていくミニョは、テギョンの首に廻した腕を小さくクロスさせると少し締め上げるような仕種をした。
「ふ、お前の力じゃ俺には勝てないさ!」
判りきった事をあえて口にするテギョンにミニョの頬が更に膨れてくる。
「そんなの判りませんよ!!オッパに勝てる事だってあるかも知れないじゃないですか!」
テギョンは視線だけ上げてミニョを見ている。
「無いな!!」
はっきり否定するテギョンにミニョの頬が更に膨れると、テギョンを見つめながら、頬の空気を右に左に、悪戯に膨らみを動かしながら、何かを考え、暫くするとスッと膨らみを戻してニッと笑った。
「ありました!わたしにも勝てること!!」
「なんだ!?」
ミニョの頬をつついて遊んでいたテギョンの指が止まると、机に置かれたボトルに手が伸びた。
ニーッと唇を結んだまま笑っているミニョは、テギョンの顔をジーッと見つめている。
「・・・・・・オッパヘのあ・い・じ・ょ・う」
ミニョがゆっくりとテギョンの耳元に唇を寄せてそう言うとボトルを口に含みかけたテギョンが、危うく噴出しそうになりながら目を見開いて真っ赤になって固まった。
ミニョも言ったは良いが、テギョンの首に腕を廻して顔が見えないように肩に顔を埋めている。
「なっ・・・な・・・な・・・」
テギョンが、どうしていいか判らずにあたふたすると、ゴクッと喉を鳴らして口を覆い隠すように手を当てている。
しかし、その口元は次第に口角があがって、満面の笑みを作っていった。
まだ、しがみ付いたまま顔を上げられないミニョの背中に手を廻すと右手で、頭を撫で髪を梳いている。
「それだけ、なのか!?」
冷静になったテギョンは、ニヤニヤと口元を緩めながら、ミニョを抱きしめる腕に力を入れていくと、ミニョの首が傾いていく。
「それだけって・・・」
「愛情しかないのか!?」
「愛情で十分でしょう!?」
「気持ちだけなのか!?」
「えっ!?」
「お前の愛は、気持ちだけなのか!?」
テギョンが、何が良いたいのか良く判らないミニョは、頭を左右に動かしながら、体を引くとテギョンの首に腕を廻したまま横から顔を見た。
「気持ち以外に何があるのですか!?」
不思議な顔をしてテギョンを見つめるミニョは、唇を僅かに突き出して首を傾げ、少し低い位置から上目遣いで見つめるテギョンの意地悪そうに顰められた顔を見ている。
「気持ち以外にもあるだろう!?」
くるっとミニョの瞳が一回りするが、判らないと首を振った。
「ふ、そうか!」
鼻で笑うテギョンは、顎を上げると、じゃぁ、教えてやるとミニョの頭をグッと掴み、不意打ちに唇を重ねる。
キスをされる唇に、ミニョの目が見開かれるが、テギョンもしっかりと目を開けてミニョと視線を合わせていて、重なったまま、口角をあげて笑みを作り、スッと離れていく。
「なっ・・・な・・・」
今度は、ミニョが、あたふたしている。
「判ったか・・・」
更に激しく首を振るミニョは、緩みそうになる口元を引き締めようと必死で、顔がどんどん赤くなっている。
「・・・行動もしろよ!」
嬉しそうに笑うテギョンに何も言えなくなってしまったミニョは、テギョンの胸元に顔を俯かせると小さく、ボソボソっと言った。
「・・・・ど・・りょ・・くし・・ます・・・」
テギョンは何も言わずにミニョの頭を軽く叩いている。
それが、心地よかったのかミニョの腕が徐々にテギョンにきつく絡まった。
「どうした!?」
優しい低音が微かに響くと、軽く首を振ったミニョが、何でもありませんと小さく言った。
そうかと答えたテギョンは、再び机に手を伸ばすと、マウスを弄り始めた。
テギョンの首に腕を廻してうっとり目を閉じているミニョは、幸せそうな微笑を浮かべながら居心地の良さをかみ締めているようだ。
「しっかし、これって・・・」
テギョンが、画像を送りながら、目を細め指を噛むよう唇に当てると独り言の様に呟いた。
「聞いてみたらダメなのですか!?」
ミニョが、テギョンの独り言に答えるように言った。
「聞いて答えるような奴じゃないだろ!?ミナムだぞ!お前以上に強情なところもあるからな・・・」
「でも・・・オッパのことだから、誰かを庇ったのかも・・・」
テギョンが、怪訝な顔をする。
「嘘つき妖精か!?」
「聞いてみましょう!!」
ミニョが、ガバッとテギョンから離れると、にこにこしてどこかに行こうとしたのでテギョンは、慌てた様に腕を引いた。
「お前、今、何時だと思ってる!」
「えっ!?」
ミニョは腕を引っ張られたまま時計を見た。
既に時計の針は真夜中を回っている。
「寝て・・ます・・・よ・・ね」
「当たり前だろ!明日にしろ!!」
シュンとなったミニョを見たテギョンは、掴んでいた腕を離すと、画像を消して、PCの蓋を閉めて立ち上がった。
「気になることは、明日聞けば良い!俺たちも寝るぞ!!」
そう言ったテギョンは、ミニョの手を引っ張ると、ベッドへと連れて行って布団を捲ってさっさと入れと顎をあげ、ミニョが、少しだけ不満そうにベッドにあがると、その隣に滑り込んだ。
不満そうにテギョンを見ているミニョは、布団から半分だけ顔を出して見つめ、その顔をクスクス笑っているテギョンは、ミニョを引き寄せ耳元に唇を寄せた。
「今夜も言ってやるから機嫌を直せ!」
そう言ったテギョンの後に続いた言葉に真っ赤になったミニョは、おやすみなさいと言うと布団を被って眠りへ落ちていったのだった。。
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テギョンとミニョのささやかな言葉遊びがテーマだったのに・・・
なーんかイマイチ・・・急ぎすぎたって感じ・・・(;^ω^)次回また頑張ります!!
最後まで読んで頂いてありがとうございました(^^)/