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Moonbeams―(1)
★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★
おはようございます(^^)/久しぶりの本降り雨
少し、趣向を変えて(笑)
メインテーマは、寝物語!時間ループに嵌る様な会話になってるかなぁ
過去と現在行ったり来たりドッチガドッチと考えながら読んで頂けると嬉しいな!
すず的には、ベッドに横になってるふたりの会話がテーマですけど!
皆さんは、どんな風に感じられるかな!お遊びお遊び、新テーマ!
まだ、お試しお試し(^^;楽しんで頂けたら嬉しいです(^^)/
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ふたりで行った教会で
作法もよく解っていない俺に
違いますって膨れていたっけ
「ここに膝を突いて下さい!神様は、こちらにおいでです!」
「初めてなんだから判る訳ないだろ!!」
「だから、お教えしてるじゃありませんか!」
ステンドグラスに描かれる神を見つめて
俺に戻した視線は瞳が釣り上がって
膨らむ頬がお前の不満を教えてくれて
それでも、俺の手を引いて、ここですって
先に膝を突いたお前の真似をしたな
「神聖な場所ですから、しっかりお祈りしてくださいね」
神なんて
信じちゃいなかった
俺の家は、敬虔って程じゃなかったし
・・・あの親を見れば
わかるだろ
俺から母親を取り上げて
俺に愛なんて与えちゃくれなかった
不満は一杯あったけど
それを乗り越えるだけのものを
俺は自分で手に入れてきたと思ってた
組んだ両手の上に額を乗せて
暫くジッと俯いていたけど
フッと隣のお前が気になって
そっと、薄く目を開けたんだ
綺麗に組まれた両手の上に額を乗せた
お前の横顔は熱心に祈りを奉げていたけど
その口元が笑みを刻んでた
それに見惚れた俺は、お前から目を離すことが
出来なくて思わず喉が鳴ってしまったんだよな
静かな教会の祭壇には、他に誰もいなくて
他に何の音も聞こえなくて
光のシャワーが、頭上から降り注いで
俺とお前を包んでた
「オッパ・・・ちゃんと祈ってください!」
「ふん!解ってる!」
ジロリと見たお前の瞳がまた閉じられるのを
見届けて
俺も
目を閉じた
静寂を身に纏い
初めて神に感謝を奉げた
そんな、時間だったな
「もう、宜しいですよ!」
どれほどの時間そうしていたのか
目を開けるとお前の笑顔が
すぐ目の前にあった
「何を祈られたのですか!?」
先に立ち上がって俺の腕をとり
立ち上がる俺の腕を引きながら
お前が聞いてきたんだ
「お前は!?」
「私!?ですか」
腕に回るお前の手を掴んで
離れないように握りしめて
それを見て赤くなって俯いたお前が
あまりに可愛くて
啄む様にキスをしたら
慌てて俺から離れたんだ
「何だよ」
その慌てっぷりに何だか腹が立った
腕を組んで
不満たっぷりに
お前を見つめれば
指先で口元を拭って
今にも泣き出しそうな顔で
俺を睨んでいたな
「こっ、この様な所で何を!!」
「こんな所!?」
「しっ、神聖な場所ですよ!」
「神聖な場所で愛を誓うんだろうが!?」
「・・・・・・」
「神聖な場所で永遠の愛を誓うんだぞ!見たことないのか!?」
教会で育ってるくせに
「そっ、それは、何度も・・・見てますけど・・・」
しどろもどろの返答と
もじもじと指を絡めて俯いて
頭を揺らして床を見つめてたな
「俺とキスするのが初めてじゃあるまいし、今の態度はムカツクな!!」
スッと爪先をお前に向けたら
お前
あの時
逃げたよな
「逃げてません」
「じゃぁ、どうして背中が曲がってるんだ!?」
「えっ!?えっと、それは・・・」
もう一歩、足を踏み出したら
「やっぱり、逃げてるじゃないか」
「そっ、それは、オッパが、近づくから」
「近づかれたくないのか!?」
「ちっ、違います!!」
本当に泣き出しそうな程
小さな声を出して
でも、大きな瞳でまっすぐ
俺を見てたな
「・・・・・・意地悪っ」
不満そうに唇から出てきた言葉に
俺は我慢出来ずに笑った
「オッパ!」
「ふっ、はは、あははは」
「もー笑わないで下さい」
お前から近づいてきたんだぞ
覚えてるか
「知りません」
「お前が俺に近づいたんだ!お前の負けだな」
膨らむ頬と釣りあがる瞳
だけど
愛しさしか込み上げてこない
「負けたら罰を受けるべきだよな」
「そんな理屈ありません!」
「そうか!?勝った者にはご褒美が付き物だろう」
「それは、一生懸命努力をされた方にはという意味です!」
「そうか、俺は頑張ったと思うが」
「何をですか!?」
「お前を俺の恋人にする事!」
耳元で囁いた言葉に
お前
固まって
カーッと一瞬で
赤くなって
体温が上がったのも解ったぞ
「真っ赤な目をしたテジトッキ!じゃなくて」
「「タンアイ」」
俺とお前
同時に声に出して
同じ言葉を言ったんだ
そんな事が至極、嬉しかったな
「オッパは、いつもそう言いますけど!
他に赤いものを思いつかないのですか!」
「赤いものか」
「そうです!もっと、こう、可愛らしいものとか」
「可愛いもの!?」
「そうです!テジトッキだって可愛いです!」
「可愛いものねぇ」
「ええ、リンゴとか、チェリーとか」
「どれも甘いな」
「美味しいですよ」
「お前に甘さなんてあるのか!?どちらかというと刺激的だろ」
「そんな事ありません!」
「やっぱり、タンアイだな!」
「オッパ!!!」
真っ赤な顔をして
俺に言いたい事を言うし
俺の中にズカズカ入り込むし
俺に迷惑掛けるし
事故多発地帯だし
俺に
愛を教えてくれたし
俺を愛してくれるし
「オッパ」
後味をひく為には
刺激も必要だろ!
「そうですか!?」
刺激が無かったら
俺はきっとお前を見つけることも
出来てないぞ
「そうですかね!?」
そうだろう
お前がいないと
俺の横は
凄く寒いんだよ
「そうですか!?」
そうなんだよ!
だからもう、寝ろ!
一緒に眠る事を許可してやる!!
但し、俺のキスが終ってからな!