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表題────『Aから始まる...』
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『A・I・してる』と囁くのは簡単な事だ。
『AからI』を作れば良い。
Kissで触れ合う唇にKissで零れる液体にそれさえも厭わなくなったら、
Iを始められるだろう。
「愛してる」
耳朶を含んで囁いて。
「愛してます」
けれど、どこか棒読みの愛なんて感じさせない言葉を受け取って。
「愛してる!?」
確認するのは自分の為だ。
「ぁ・・・っん」
「愛してる!?」
言葉遊びにしか聞こえない。
「愛してる」
「ぁぅん・・・んあ、愛して・・・ます」
寒くもないのに震える背中に深く潜り込んだ雄が変化する。
「ん・・・や・・・ぁ」
「っ、きつっ・・・」
痛みが伴う時間を共有して、痛みを和らげようと互いの体をかき抱き、顔を見る。
「ぁ・・・んッパ・・・」
「ああ、ダ、メ、かも・・・」
「え、あ・・・」
白い脚の姿やかな筋肉を捉え、伸縮をする全身を押さえつけ、奥へ奥へと潜り込み、
溶けるその寸前で、溶かされた愛が飛沫をあげる。
「あ・・・・・・・・・」
「っ・・・・・・・・・」
重なる吐息に重なる胸に重なった鼓動の音が心地良い。
力の抜けた腕を指を捉える為に伸ばせば、絡めた指先がそっと握られて、
愛を囁くよりも愛を感じる。
「・・・・・・・・・愛してますよ」
「ああ、俺も・・・・・・けど・・・」
「何ですか!?」
「・・・愛じゃぁ足りないんだ・・・」
「愛じゃ足りない!?」
足りないからお前にずっと触れている。
足りないから、お前とずっとこうしていたい。
「足りないって・・・」
「愛し過ぎて足りないからじっとしてろ」
「ふぇ!?ぁ・・・」
愛じゃ足りない。
愛なんて言葉じゃ足りない。
愛してるって、囁くのは簡単だ。
でも、寄り添って、じっとして、黙して。
隣にお前がいるだけでも愛を感じる。
恋をした時には解らなかった。
言葉を囁いている時も解らなかった。
触れて、溶けて、判るもの。
俺の愛は、間違いなくお前なんだ。
「あ・・・のー・・・オッパー」
「なんだ!?」
「重・・・」
「お前が上になったら俺が重いだろう」
「え!?んー、じゃぁ・・・そろそろ離して・・・ください」
「嫌だ」
「へ!?」
「気持ち良いから嫌だと言ったんだ」
「へ!?ぁ・・・や・・・オッパが良くてもわたしは、困っん・・・」
煩い口は塞ぐに限る。
愛なんて囁かなくてもこれで十分だ。
「ああ、でも約束だから一日一回は言ってやるけどな」
「え・・・ぁ」
このまま眠ろう。
明日の朝も目覚めればお前がいて、おはようと言ってくれるだろう。
それだって愛だ。
『愛してる』と囁かなくても愛はここにある。
愛は、Iで、俺であって、お前でもある。
LOVEと動く唇から、これからもIを作っていこう。