注目の投稿

限定公開中 

ピアシング────突き刺した愛

 ★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★


「ピアス!?」
「ああ、ソンムルだ」

そう言って渡したピアスの意味をお前が知るのはいつだろう。
ただのプレゼントだと受け取らせ、その本当の意味をお前には、決して教えない。

「似合いますか!?」
「ああ、似合う!いつも付けてろよ」

独占欲というのは、誰にでもあるものだ。
俺のものだと周りに誇示し、俺が好きだろうと確認して。
男の独占欲なんていつでも一番でありたいとそういうものだ。

「オッパ!わたしもあげます」
「何を!?」
「ピアス!」
「ぁあ!?」
「オッパに似合うピアスを見つけたのです!」
「お前からソンムルなんて珍しいな」
「そうですか・・・だって、オッパ、いつも何もいらないって言うから・・・」

何もいらない。
そうだ。
お前がいれば何もいらない。
俺の何よりのソンムルは、お前がここにいる事。
俺の傍にいて、俺に触れて、笑ってくれること。

「つけてあげます!」
「お前が!?」
「だ、め・・・ですか!?」
「いや、珍しいことが続くと恐いなと思っただけだ」
「む・・・酷い事言いますね!私だってオッパと同じ気持ちなんですからねー」

同じ。
同じ気持ちね。
俺と同じ気持ちをもしお前が持っているなら、それは。

「オッパ!こっち、座ってください」
「痛くするなよ」
「しませんよ!だって、これ、磁石ですもの」
「はぁ!?」
「だって・・・オッパ、アレルギーあるから・・・高級な物は買えないし・・・」
「金属アレルギーな訳じゃないぞ・・・それに磁石じゃずっとつけていられない」
「・・・確かに重いですよね」
「まぁ、良いさ、お前が折角くれるというんだから付けて記念撮影でもしてやる」
「やった、じゃぁ、こっち!座ってください」

俺の髪を掻き揚げて俺の顔を覗き込んで、俺の。

「っ・・・おっ前・・・何っ」
「へへへーお返しですっ!」

俺の耳を噛むとは良い度胸だ。
確かに俺も噛んだが。

「ちっ・・・責任取ってもらおう」
「へっ!?」

間抜け面を崩してやる。
啼かせてやるから覚悟しろ。