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Moonbeams―(3)

 ★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★ 

差し出された三つの手を前に
お前
オロオロして選べなくて
ずっと俺の事
見てただろ



「それは、だって、オッパを選びたかったですけど」



選べば良かっただろ
何でそこにいない
ミナムだったんだ




「そんな事したら、バレるじゃないですか!」
「公表するのが嫌なのか!?」
「嫌だとは言ってません!オッパが困るのが嫌なのです!」
「俺がしたいって言ってるんだぞ!」
「オッパのファンの方々に申し訳ないです!」
「俺には、申し訳ないって思わないのか!」
「そんな事、言ってません!」




そんな、押し問答をして
結局、お前を泣かせて
泣くなと言っても泣き止まないお前に
イラついてそれでも良心が痛んで
抱きしめて誤魔化そうとして
伸ばした手も払われて
勝手にしろって背中を向けた
けど
お前が本当に居なくなるとは思わなかった
いつもの様に俺に謝ってくるものだと思い込んでた
どこへ
行っていたんだ



「ミニョがいない!?」
「って、ヒョンの部屋に居たでしょ」
「何をしたんだ!?」



三人によってたかって俺が悪いんだろという目で見られて
それ以上聞けなくなったんだ
地下に行ってみても
屋上に行ってみても
ウッドデッキに出てみても
お前を見つけられなくて
ジョリーにまで吠えられたんだぞ




「それって、私のせいですか!?」
「お前が悪いに決まってるだろ!」
「そんな、横暴な」
「お前が大人しくいつもの様に俺の後を追いかけてくれば良かったんだよ」
「私がいつもオッパを追いかけてるみたいに言わないで下さい!」
「俺のファンなんだから、俺を追いかけるのは当然だろ!」




黙ったよな
俺を追いかけなかったからか
俺が追いかけ無いからか
俺の潔さが
どこかでお前を苦しめてたからか




「そんな事は無いです!ちょっと気分転換してただけですから」




とぼとぼ歩いて帰ってきたお前を怒鳴りつけたけど
すっかり、元気になっていて
手に持ったアイスを嬉しそうに掲げて
一緒に食べましょうって笑ったんだよな




「ピョヌィヂョム!?」
「はい!」
「ったく、どういう神経してるんだ!?」
「・・・すみません」




お前、自分の事をもう少し考えろよ
俺のことばかりじゃなくて
俺はお前と
幸せになりたいんだ
お前を誰にも渡したくない
ウッドデッキでお前を抱きしめて
抱きしめ返されて
ぽんぽんと背中を叩いて
泣いて腫れた目にキスをしたな




「なーんだ、痴話げんか」
「そうだな」
「心配して損したなー」




玄関に顔を出してたあいつらに
ふたり揃って揄われたんだぞ
だから、早く、お前とふたりだけになりたかった





「公表するのですか!?」
「ああ、決めた」
「それは、構いませんけど・・・オッパの人気落ちませんかね」
「だから、俺の事は良いんだ!お前は嫌なのか」
「それは、嬉しいですけど・・・デートも出来ますよね・・・」




お終いの方は、小さな声になっていって
ちらちら俺を見てたな
本当は、お前も我慢してたんだよな





「じゃぁ、決まりだな!今日みたいな事にならない様に記者会見するぞ」
「記者会見!?」
「ああ、まだ、婚約者って事で良い」
「まだ・・・って」




ミナムと約束してたんだ
お前が帰ってきた時
あいつは、自分で望んで芸能人になったけど
お前は、違うよな
俺の我儘で芸能人にしてしまった
お前の道を遮るつもりは無かったけど
結果的にお前の道を逸らしたのは俺だろ




「そんな事ないですよ!!」




そう言ってくれるのは嬉しいな
ありがとう




「わたしが、自分で決めたのです!神様に導かれただけです」



はは、お前らしい
(・・・・・それに何度も助けらたんだな俺は)
まぁ、でも、とにかくミナムと約束したんだ
お前を守るのは俺で
お前を幸せにするのも俺だと
お前を傷つける事はしないし
オモニの事もミナムに全部話して・・・





「どうされたのですか!?」
「腹に・・・もろかっ」
「それだけの事をしたんだろ!
これくらいで済んでよかったと思ってもらいたいね」
「あ・・ああ、そう・・だな」
「ふん、許してやるから、しっかりしてくれよ」
「オッパ!?大丈夫ですか」
「ああ、大丈夫だ」



あの時、ミナムに腹を思いっきり殴られたんだ



「えっ!?」




お前には内緒にしろって俺が言った
まぁ、あいつも言うつもりは無かったみたいだけど
お前が来た時には、俺達の話しは終ってたからな



「オッパ、何をしたのです!」
「ミニョ、辞めろ・・・何もしてない」
「何もしてないさっ!!」



お前とこうして同じ空間にいられるのも
あいつのおかげだからな
あいつらの
おかげか・・・
俺の背中を押したのはあいつらで・・・



「私の手を取ってくれたのはオッパですね」



俺の手を取ったのがお前だったんだよ
お前があそこで踏みとどまったから
あれで公表した様なものなのにな



オヌル バムド ハンダ サランへヨ