─────『瞳から愛を零して』
また泣くのか
そうやって
お前の涙は
俺を惑わせる
隠れて泣くより良いけれど
ほら
離したくなくなるだろう・・・
ぼんやりと外を眺めるお前の背中に
なんだかまた・・・
遠くへ行ってしまいそうな
そんな気がしたんだ・・・
『どうしました!?』
抱き締めた俺にそう聞いたお前の顔を見ることは出来なくて・・・
『ど・・・うされたのです・・・か!?』
ぎゅっとしがみつく様に抱き締めて
お前がどこへも行かない様に
お前がここにいる真実を
お前が俺の傍(かたわら)にいる事を
もっとずっと確かめたかった
『ヒョンニ・・・ム!?』
振り向かないで
俺はお前に見せられない顔をしている
『ヒョンニム!?』
振り向かないで
お前にこんな顔は見られたくない
そんな事を考えながら
お前に伝えるべき言葉を捜してた
『コマウォ・・・サランヘ』
『ヒョ・・・』
お前の唇に触れ
お前の頬に頬をすりよせて
お前の小さな
俺の腕にすっぽり収まる肩を抱いて
このまま時間が止まれば良いと
そんな事を考えていた
『ヒョ・・・ぁ・・・』
肌を滑った生暖かく濡れた感触に
お前が涙しているのを知った
『あっ、ぁの・・・ヒョ・・・ニ・・・』
巧く言葉を紡げないお前のしゃくりあげる声に
お前が泣いてる事を知った
俺と同じか
俺の腕に縋り付いて泣き始めたお前に
狂おしい思いは吹き飛んだ
俺と同じ
同じ気持ち
そうだろう
お前も俺と同じ
『会いたかった・・・』
『っ・・・っ・・・・・・』
何度伝えても
何度抱き締めても
足りない
もっとずっと俺に確かめさせて
お前の瞳から零れる愛もその全てが俺のものだと・・・・・・