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肌触りの好いシーツの上を逃げ惑う体を抑え、触れる素肌に悦に至る。
満足かと問われれば、それは違う。
蠢く緩く柔らかな襞が捉える俺自身をもっと深くまで差し込みたい。
欲望。
それは、包む襞の向こう側にもあるものだ。
包み込み、蜜を流し、滑りを与えて誘い込む。
誘って、逃げて、密着させた肌をより熱くする。
「っ・・・ぁ」
吐息とも声ともつかない音楽が、頭の中で弾けてく。
たまらない。
もっと。
撓(しな)る背中が、腰を突き、よろめく腹が、尻を突く。
「ッパ・・・」
覚束ない指先が握るシーツの上を腕に沿って滑る俺の腕。
それさえも歓喜して。
触れた指先に絡まる指の強く強く握られる感覚が、お前の欲望を止める。
一瞬のその一瞬の弾ける時間のなんと甘美な事か。
「っい、っやーあああああああああ」
叫べば良い。
泣けば良い。
欲望は、留めておいても毒でしかない。
捩って捩れて吐き出してしまえ。
「あ、ッパ・・・んふぁ・・・ぁあお・・・」
空っぽになるまで、そう空になるまで、このままだ。
「ぅ・・・んふぁ・・・あ」
ほら、大概、線は簡単に越えられる。
「ぁ・・・ッパ・・・ぅんん」
「もうだめか!?」
「ひふぁ・・・んん・・・」
「ミニョ・・・答えろ!?限界か!?」
「やぁん・・・ッパ・・・ねが・・・」
「ああ、判った・・・じゃぁ・・・」
まだ、終われない。
ずるりと重い俺を抜き出して、お前と向き合おう。
「あ・・・」
「ふ、疲れたか!?」
無理をさせているだろうか。
俺の欲望を呑み込むお前に。
真っ赤な瞳は、涙を溜めて、けれど揺れる瞳は、喜んでいる様にも見える。
開いた唇にキスをして、拓く腕に落ちる。
背中に回る腕は、誘っているとしか思えない。
だらりと下がる俺自身。
まだムクムクと吐き出し切れない欲望が、そこを拓く。
「え・・・あ・・・」
「悪いな、まだ、足りない」
「ん、ひぁ・・・ふ」
肌を合わせるこの時間。
言葉は、無くて良い。
お前を感じるこの時間。
それが俺の疲れを吹き飛ばす。
だから、もう少しだけ付き合ってくれ。
お前は、嫌かもしれないけれど。
お前の腕が顔が、身体が、俺に朝をくれるんだ。
毎日だって抱きたいのに。
毎日お前に触れていたいのに。
現実は、そう簡単にはいかないものだ。
だから、今は、お前の艶やかな姿を俺に焼き付けさせて。
俺だけしか知らない美しく変わる瞬間を。
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肌を合わせる相手とは、少なからず、その人しか知らない顔というものがあるものですね(^^♪
皆さんもそんな人を思い出して置き換えてみてね( *´艸`)