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格子を組まれた小さな高窓が、世界への憧れを呼び覚ます。
光と闇と疎らな星。
それが私の世界の全て。
ここは、鳥籠。
鳥は、私。
けれど啼いてる限りあの人も籠の内。
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「お嬢様、旦那様がお呼びです」
ノックの音と共に入ってきたシヌは、腕に抱えていたドレスを椅子に置いていた。
「こちらをお召しになっていらっしゃる様にとの事です」
そう告げると部屋を横切り、バスルームに向かって行った。
「早々にお着替えなされませ。 お客様には、全て帰って頂きましたので」
「え!?」
「当面のお客様は、全てキャンセルです」
バスタブに水を張る音が聞こえ、駆け寄った私の前を白い靄が覆った。
「帰って頂いたって・・・侯爵様も!?」
「ええ、旦那様のご意向です」
「そ、んな・・・だっ・・・て・・・」
湯船に手を浸し温度を確かめたシヌが皮肉な笑顔でこちらを向いた。
「昨夜の情事のせいでしょうね。旦那様に隠し事は不可能ですよ」
「そっ・・・」
心臓が止まりそうな程、衝撃的な一言が、私の脚を崩れさせた。
「っと、危ないですね。 貴女は、もう少し旦那様のお気持ちをお知りになるべきだと思います」
腰を支えた手と要らぬ提言が体を強張らせる。
「さぁ、お時間も無いので早々に洗って差し上げましょう」
剥ぎ取られる衣服に崩れた脚は元より抵抗も出来なかった。
────
「さぁ、では、お手をどうぞ」
昇る階段は、どこまでも暗く、どこまでも続いている。
「では、私は、これで失礼いたします」
腰を折って踵を返したシヌは、ノックだけを残して去って行った。
「あ・・・」
開くのが怖いその扉が内側から開かれ伸びて来た腕に引き寄せられた。
「ったく、遅い!」
少し、苛立ちの混じる部屋の主の香りが鼻腔を突き、逞しい胸が目の前にあった。
「来いっ!」
腕を引かれて座らされたベッドの 下で跪くその頭がゆっくり上がった。
「どうした!?随分怯えているな」
こちらの動揺を見透かす瞳から目が逸らせない。
「怯えてもやることは同じだろ!?昨夜も随分お楽しみだった様だ」
立ち上がり、見下ろされ、その手が伸びる先に痛みが走っていた。
「ふっ・・・ん・・・いつまでたっても慣れない・・・こんな体で善くもあれだけ啼けるものだ」
掴まれた足をベッドにあげられ、押し倒されていた。
「あ・・・」
「ここから逃げたとしてもお前は他では生きられないと何度言えば理解する!?」
「そ、そんなの解らなっ!」
精一杯の口答え、それもあっさりねじ伏せられて、滑った舌が甘い痺れを呼んでいた。
「ほら、お前の身体は正直だ・・・俺にこうして組み伏せられて、俺に触れられるのを待っている・・・」
違うと否定も出来ずにいるとドレスの裾が翻る。
「あ・・・ま・・・」
重く、熱い塊に啼かされ続けるこの夜の貴男の姿も啼き声も今は私だけのもの。
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いつ書いた(^^;BlueMooNよりはずーーーーーっと前
ちと置き換えてみた(笑)