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Moonbeams―(4)

 ★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★ 

お前の
お前の気持ちに気付くのが
もう少し
もう少し早かったら
そう思って後悔したんだ


毎日毎日あいつを見て
いつ帰ってくるのかと
あいつに話しかけて
お前がサイトに投稿してきた時は
ふざけるなって思ったからな
待ってた俺はとんだピエロで
お前はもう二度と俺に
会う気が無いんだと思ったら
急に怖くなった
それでお前を捜しに走ったのに
頭を下げただけだったな



「オッパは元気・・・会えて良かったわ、これで旅立てる」



そう思っていたんだろ
辛いから遠くへ行くって言ったよな
苦しそうだったから引き止めなかった
引き止められなかった
俺は
俺にはどれが愛なのか
判らなかった
お前を手放す事が
愛なんだと思って
そう自分に言い聞かせた
自分に嘘をついた

そんな結末
愛はそれで終わり
いつか
いつか
傷が癒える
すべてが薄れていく
思い出も
お前の愛も
俺の愛も
それで良い
そう思ってた




縋る事も愛だろ
お前は
俺に縋ったよな
少なくとも沖縄に行く前に
俺が
お前を突き放したあの時に
俺が
お前の話を聞かなかった
俺が
お前の手を離したのに
沖縄でお前に
許して欲しいと願った
いつか
いつか傷が癒えたら
もう大丈夫と伝えますと
そう言ったお前は
もう戻らないと決めていたんだろ



「いつか、きっと、伝えます」



そのいつかが
もう無いのだと
お前の去る姿を見て感じてた
俺は
それでもまだ
縋る事は出来なかった



「輝く星の世界は、わたしには眩しすぎます」



そう言ったな
お前は少なくとも
そこに居て
居心地が良いとは思ってなかったんだろ
俺の隣
お前が求めていた物は
もっと単純で
俺を
ただ、一人の俺を
必要としていただけなのに



「姿を見せろ!俺に・・・お前を見ることを・・・許可してくれ」



そう叫んだ時
俺はもう何もかも捨てて良いと思ってた
お前が手に入るなら
俺の手に戻るなら
あの場にいる誰よりも
お前だけを
俺の元に戻してくれと祈ってた
俺の姿を見ているであろう
お前を引き止めるためには
他の歌では駄目だった
お前に聞いて欲しい
俺の
お前の父の
縋る愛を
縋って縋って泣き続ける俺の思いを
お前に聞いて欲しかった



「毎日言ってやる!良く聞け!愛してる」



お前にそう言ったのに
毎日伝える事は出来なくて
歯がゆい思いをした
お前と離れている間に
俺の愛は
募るばかりで
空港で
お前を見つけた時
もう、本当に離さないと決めた
どこにもやらない
お前は
俺の腕の中だけで笑っていろと
それでも
お前
泣いてたけどな




「・・・・っく・・ッひ・・ッパ・・あの、皆が見てます・・・」
「煩い!少し黙ってろ!俺をずっと待たせたんだからな!お仕置きだと思え」




俺のジャケットを掴んで顔を上げることも出来なくて
それでも言いたいことは言ってたよな
泣いてるくせに
カメラのフラッシュも沢山光ってたけど
俺はもう
どうでも良かった
お前をこの腕に抱ける事に
お前の体温を感じた事に
幸せを覚えた
二度と離さないと
お前も俺を離すなとそう思った



結局、シヌとジェルミが気を利かせてくれて
あの場から逃げることが出来たけど
ミナムには睨まれたな


「なーにしてくれちゃってる訳ー!一応一般人なんですけど」


泣き止まないお前を攫われるように
ミナムに奪われて
車の中でずっとミナムの胸の中で泣いてるお前を
早く俺の腕に取り戻したくて
そうこうしている間にお前は眠ってしまって
頭を撫でてるミナムが羨ましくて



「オッパ妬いてたのですか!?」



そうかもな
お前とミナムの間には
やっぱり入り込めない何かがあって
兄妹だと言い聞かせても
それは
嫉妬だったよな

宿舎の前にヘイがいたんだ
それでミナムは俺にお前を預けて先に車を降りた
戻って来たお前にほっとした
シヌがドアを開けてくれて
抱きかかえたお前を連れて
真っ直ぐ
俺の部屋に連れてった
テジトッキの眠るベッドに
目覚めた時のお前の行動は可笑しかったけどな


「あれは、オッパが・・・」



俺が
なんだ



「・・・ぅん・・何、しろ・・・テジ・・・トッキ!?」


顔にぶつかってるテジトッキで前が見えなかったんだろ
体を起こそうと思ったんだろうけど



「・・・!?あれ、何で動かないの!?」



一生懸命自分の体を前に動かそうとして
気付くまで
本当に長かったよな



「・・・何これ・・・手!?」



俺の腕に気付いて肩越しに振り返ったけど

ずっと
お前に張り付いてたんだけどな



「オオオオオオッパ・・・なっ、何してるのですか!!!」
「何って、抱きついてる」
「そっ、そうじゃなくて・・・はっ、離して・・・」
「いやだ」
「なっ、何を・・・」
「離さない」
「ちょ・・・オッパ」
「煩いな!騒ぐ事しか出来ないのか!少し黙ってろ!」



お前の頭を引き寄せて
キスしたら大人しくなって
ベッドに横たわったお前は
目を白黒させていて
そのまま
襲ってやろうかと思ったんだけどな



「なにをっ、ありえません」


襲いはしなかっただろ
俺も良く我慢したよな
一年も


「・・・・・・・・・」


お前が戻って来たって事だけで十分だった
お前に愛を囁ける
お前に毎日愛してると
耳元で言ってやれる
お前をこの腕に抱ける
十分だったんだよ


こうしてお前を抱いて聖女の顔から女に変える
それは
俺だけの特権だろ
俺だけの宝だ
お前の微笑み
お前の涙
お前の愛も
全て俺だけの物

今夜もこうして俺を愛してくれてありがとう

ノガタ タ ッペアスル マンクムィ サランヘ ナルル サランヘ チュオ(///∇//)