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潤おった花片(はなびら)ほど甘美なものは無い。
滔滔(とうとう)と溢れる淵どりに口をつけ、深く、味わえば、
仄かに優る香(こう)に酔いが目の前を暗くさせ、零れる真珠に端(は)を当てて、
跳ねる枝をそっと折れば、しなやかに剥けた宝珠が、小さく美しい色を晒した。
「・・・・・・・・・」
柔らかく流れる微風を切り裂いた澱みに益々熱くなっていく。
「もう少し・・・」
開けと手で制した膝裏にじっとり滲んだ汗が、指先を濡らし、
両手で塞ぐ顔(かんばせ)を首を振るこいつをどうしてやろうかと
内から溢れる加虐心が、徐々に首を長くして、まるで蛇と蛙の睨み合いだと
笑いが込み上げていた。
「ダ・メ・だ!!言う事を聞く約束だろう・・・」
「・・・・・・・・・」
不満たっぷりにおずおずとけれど意を以って開かれゆく枝は、まだ若く
靱(しなやか)な張りと弾力で柔軟に貌(かた)を作った。
「ふ、レッスンのおかげだな・・・」
「・・・・・・・・・」
「どうした!?大人しすぎるんじゃないか」
剥き出しにした宝珠を包み、中(あ)てる面積を拡げてやれば、激しく跳ね上がった
雌性(しせい)が、白い波を引き立てて、雄(ゆう)を刺激する。
「・・・・ぁ・・・っひ・・・ゅ」
漏れる息遣いに限界を読み、けれど、奥深い洞穴(どうけつ)に分け入るには、
準備が足らないと持てる枝を肩に担ぎ、白い波を引くか細い枝を手に取れば、
絡む指頭が、それさえも熱を帯びて、溶けた涙液が白い丘に零れた。
「あ・・・」
「ふ、限界は、俺も・・・か・・・」
「も・・・オッパのパボッ」
消え入りそうに横を向いたまま、けれど、ゆっくり振り仰いだ顔に浮かんだ汗と
潤みきった瞳が、担いだ枝を僅かに動かし、もう十分だと言っている。
「な・ん・で・も・・・・・・と言ったのはお前だ・・・」
「だっ、だからって!」
「煩い!黙ってろ!」
「あ・・・ぁん・・・っひ、ぁ・・・あん・・・」
「ふ、もっと・・・」
たおやかにしなやかにしとやかに乱れろと突き刺す雄に絡んだ指が、
俺を薙(な)ぎ倒し、潜る海の更に深層まで引き込んでいく。
「ぁ、ぅ・・・あ」
「ったく、パボなのはどっちだ・・・」
「んぅん・・・そんな事・・・言っ・・・たっ・・・ては・・・ぁん」
「お前も欲しかった!?」
「ちっ!!!ぁ・・・」
薄紅を纏って朱に染まる花は、萎(しお)れてしまうにはまだ早く、
花蓮(かれん)を彩り、目を楽しませてくれる。
香を立てて、眩(くら)む頭を刺激する。
艶(あで)やかに婀娜(あだ)やかにいつまでも美しい俺の女神。
「はっ、ぁあん・・・ッ・・・パ・・・フ・・・ぁテギョ・・・ンssiィ・・・」
「ああ・・・解ってる・・・」
海を泳ぐ時間は、終りを迎える。
花を手折る時間も。
いつものふたりに戻るまで、ほんの束の間。
迸(ほとばし)る飛沫(しぶき)は全部お前のものだ。
だから、もう、そろそろ許して欲しいな。
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「ゆっ、ゆ、許すって、なっ、何をですか!!」
「俺がお前に触れる事」
「さっ、触ってるじゃないですか!いっ、今だって・・・」
「抱き締めてるだけだろう・・・俺はお前と繋がりたい」
「つっ・・・えっ・・・」
ボンと音が聞こえそうに項垂れた首を覗きこめば、真っ赤な頬は、
俺の好きな他では決して見れない表情を浮かべている。
「ふふ、愛してるから・・・もっと繋がりたい」
抱き締める腕を強めて、俺の声がどんな効果を齎すかを楽しみながら耳を噛めば、
途端に熱くなる身体は、発散させたばかりの熱をまた帯びている。
「むっ、無理です!リ、リンが・・・」
「ああ、そうなんだよな・・・今夜は良く眠っていてくれて助かったな」
ベッドサイドに置いたモニターをずっと監視しながらの睦言は、どこか上の空で、
集中したくても出来なかった。
「そっ、それに・・・私は・・・しなくても・・・」
「ぁん!?」
聞き捨てなら無い事を口にしたミニョは、もじもじと閉じた足を動かし、
ピクリと震えた肩を窄めたまま黙ってしまった。
「どうした!?」
「えっ、えっと、あっ、あの・・・そ・・・」
泣きそうにか細い声で、俯いた頭を揺らし、閉じた足をもぞもぞ動かして、
引きたいのか拡げたいのか、結局引いて膝に顔を埋めたから、
そっとそこに触れれば、零れた雫がシーツを濡らしていた。
「・・・・・・」
「一緒には、入れないからな」
モニターに映る寝顔を見つめながら、ミニョをシャワーに送り出した夜の出来事だった。
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あんにょん!
『Moonbeams-Secondseason番外篇』としてお送りしました(^^;)
リクエストの内容が凄かった・・・難しかった・・・ヽ(゜▽、゜)ノ
『BlueMooN(ピョル含)仕様の表現でベッドシーン・・・でも、オンマとアッパ!』
だったけど(^^)応えられたかなwwwこんなのになりましたわん🐶
三者三様と良く言われるが、書いてるのは、すず一人だから、
そーんなに表現も内容も違わないと思っていますが、やっぱり、
別人と思ってる人もいるみたいで(^Ⅲ^)/ある意味ありがたい事です(^~^)
似たり依ったりになってしまうのは勘弁してねー(≧▽≦)
BlueMooN仕様なので、めっちゃ頭を使うのとポンと出てくるのと色々でしたが
花と枝と盃で作ってみた(^^)/
日本語の『妙』を楽しんで頂ければ嬉しいですわ
最後までお付き合いをありがとうございました(*^▽^*)