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覚束ないのは、あれのせいかと、そんな事を考えながら、スタジオの角に立てかけたギターに手を伸ばした。寄り添って、声を出し、大きく外れた音程に眉を寄せたテギョン。おもむろに立ち上がって、上からミニョと額を擦りそうな程近く、覗き込んで、可哀想にその瞳が、大きく揺れている。小さく固くなって、身を縮ませるミニョに容赦の無い言葉を浴びせて。仕事とはいえ、相変わらず厳しい奴だ。女子供とて加減というものを知らないのは、同じテリトリーに立つ人間を厳選しているせいだろうか。だとしたら、ミニョのどこが、あいつと同じなんだろう。そんな事を考えながら、ピックとヘッドホンを手にしていた。
『だからっ!!そうじゃないと言ってるだろう!!』
『そ・・・おっしゃっても・・・・・・』
『良いか!良く聞け!こうだっ!!!』
テギョンの艶やかな声がスタジオに響き渡る。低く、色っぽく、愛を奏でていく。ミニョのそれとは対照的だ。高く、透き通る様な澄んだ天使の歌声。
『ほら、歌えよ!』
『はっ、はい・・・・・・』
同じ恋の歌を奏でるのにどうしてこうも歌い手によって違って聞こえるんだろう。同じ歌詞。同じメロディー。同じ、なのに。感情の入れ方か。それとも、聞いている俺のお前への想いの違いか。
『・・・・・・良いだろう・・・その感じを忘れるなよ』
『は・・・い・・・』
『ふ、それだけ出来れば上出来だ』
ふと上げた顔にミニョの瞳が伏せられるのを見つけてしまった。テギョンはこちらに背を向けているから気がつかないだろうが、髪を撫で、覆い被さるあの仕種は、きっと、キスをしているのだろう。日常茶飯事になりつつあるその光景は、何も感じないと言えば嘘になる。諦めた筈の恋が、胸を締め付ける。
『そうだな、もう少し練習すれば、レコーディングも出来るな』
『レコーディング!!・・・する・・・のですか・・・』
『ぁん・・・当たり前だろう!!何の為に練習してると思ってるんだ!』
真っ赤になって俯いても俺がここに居るのもテギョンの一言で忘れてしまうのだろうか。相変わらず自分の事には無頓着というか、自己主張はする癖に控えめで、もの事を世間を知らないからだろうが、オドオドしていたのは、やっぱりミナムという殻に閉じ込めなければいけなかったからなのかな。
『・・・い・・・おいシヌ!』
『ん・・・ああ、何だ!?』
テギョンが、睨んでもこの感じにも慣れた。気恥ずかしさと俺への僅かな後ろめたさで、決まりが悪いせいもあるのだろう。固い声で、素の自分を曝け出しきれないそんな奴。それは、俺も同じか。
『ミニョのレコーディングを・・・・・・』
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そんな会話をしたのはいつだった。甘(うま)くいってた筈だろう。お前達の恋。なのに、何故に今お前はそこで泣いているんだ。膝を抱え、蹲って、声を殺し、しゃくりあげるその姿は、俺には辛い。
胸が、心臓が痛すぎる。まるで切り裂かれている様な感じさえする。立ち止まるこの距離。埋めても良いだろうか。手を、腕を伸ばしても良いのだろうか。
『ミ・・・ニョ・・・』
『・・・・・・ッ・・・ひょん・・・』
『どうしたんだ・・・お前・・・その格好・・・』
裂かれた服に咲き乱れる赤い花。何があったのかなんて一目瞭然だ。何故。何故。そうなった。何が、何が、あいつを追い詰めた。
『ケ・・・ン、チャナ・・・』
『ケン・・・・・・ッ』
大丈夫にはとても見えないその姿。駄目だろう。駄目だ。お前の幸せだけを願ったのに。泣いても泣いてもお前が見てる先にあいつが居るとお前の視界を塞ぐ事は出来ないんだと、そう思っていたのに。
『ミニョ・・・』
『あッ・・・ひょん・・・だ・・・』
もう聞かない。覚束ない足元は、お前とふたりで立ったら、もっとふらつくかもしれないけれど、グラグラ揺れて、堕ちるだけかも知れないけれど、落ちるなら、このままお前に口付をお前を奪って落ちてみよう。
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あれ・・・おかしいな・・・切な系シヌミニョ・・・いやいや違う・・・
BlueMooN的テギョミニョだからA=´、`=)ゞまったねー♪(*^ ・^)ノ⌒☆
最近〇〇さが無くなってきてる・・・雨に消されたからなぁZzz…(*´?`*)。o○