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第零楽章~タイトル無~

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気がつけば、記憶も曖昧で、ここがどこで、自分が誰で、どんな存在なのかも覚えてはいなかった。ただ、目の前にある顔が、とても美しいその顔が、とても懐かしく、そして、どこか悲しみに満ちている事だけを知っていた。




『・・・目覚め・・・た、のか・・・』

そっと、触れようと伸ばした手を掴まれて、指先を握りこまれた。驚いていると、閉じられていた瞼が、ゆっくり開き、黒く宝石の様な瞳が、こちらを見つめていて、握られた手は、何故かそこから何かが流れ込んで来る様に暖かく、自分との温度差に驚きながら、ああ、私が冷たいのかとぼんやり考えていた。

『身体は!?大丈夫か!?』

コツンと額をぶつけられ、また閉じた瞳に伏せられた睫を見ながら、長くて綺麗だなと思っていたら、その瞳とバッチリ目があってしまった。見つめられる視線にどことなく鋭い光が見えて、目を逸らす事も出来なくて、瞬きをしながら誰だろうと考え、何をしていたんだっけと思いながら、視線を逸らそうと瞳を回したら、行き成り首を掴まれていた。

『おいっ!!聞いているのか!』

さっきまでの心配してる感じの声じゃなくて、怒りを含んだ声が、飛んできて、思わず首を上下左右に振ったら、その瞳が段々細められ、目の前に指が見えた。

『おい!これは何だ!?』
『・・・ゆ・・・び・・・』
『・・・・・・・・・』

眉根を寄せた顔が、指と私を交互に見て、首を振りながら大きな溜息を吐くと、またコツンと額をぶつけられた。

『・・・名前は!?』
『な・・・まえ!?』
『ああ、お前の名は!?』

名前、なまえは、あれ、名前、なんだっけ。

『な・・・まえは・・・ああ、えっと、コ・ミナムです』

そう口にしてあれと思ったけれど、コ・ミナムが名前だったなと思い返して、目の前の人を見たら、変な顔をして私を見ていた。閉じた口に細められた目が、まるでこっちを睨んでいる様で、思わずビックリしてジリッと後ろに下がったら、腕を掴まれていた。

『ふざけてるのか!?』
『えっ・・・あっ、痛い・・・です』
『質問に答えろっ!!ふざけてるのかと聞いているっ!!』

真剣なその顔が、あまりに怖くて、首を振る事も出来ず、ゴクンと唾を飲み込めば、頬を両手で包まれて、フニっとした感触が、唇に当たっていた。

『えっ!?ぁ・・・』

柔らかい唇の感触が、顔の上で動き、口内に侵入してくる舌にえっと思っていたら、その舌が私の舌を捉えて動き始め、抑えられた頬に顔を動かす事も出来ず、何が起こっているんだろうとぼーとなっていく頭に考えを巡らせていたら、その綺麗な顔が離れ、また、名前はと聞かれた。

『な・・・まえ・・・』
『そうだ!!お前の名は!!』
『私・・・私の名前は・・・・・・コ・ミ・・・』

私の名前、何で、そんな事を聞くんだろう。この人は、私は、ここは。

『思い出して・・・お前の名前・・・俺は・・・』

私の名前。この人の名前。この人。この美しくも淋しい人の名前。

『・・・・・・ヒョンニム!?』

そう呼んだら、トスンと覆い被さってきた身体に、体重を掛けられていた。白い、真っ白い天井が見えて、顔を横に向けたら、水の入ったグラスが、見えた。そこに映る私が見えていた。

『わ・・・たし・・・わたし・・・は・・・』
『・・・・・・・・・』
『オッパ・・・・!?』
『思い出した・・・のか!?』
『あ・・・私・・・・・・んふぁっ・・・やぁ』
『コ・ミニョ・・・思い出したのか!?』
『ぁ・・・ん・・・ふ、は・・・い・・・』
『そうか・・・じゃぁ、ここが、どこかも判るな・・・何を・・・していたかも・・・』
『・・・んっ』

痺れている全身の感覚に、ザワリと背筋を冷たいモノが駆け抜けると少しだけ思い出してきた、と、にやりと片側の頬だけをあげたオッパの顔が、徐々に近づいてきて、さっきのキスとは、また違う、触れるような口付が降りて来た。触れ合った瞬間に気を失っていたんだとそう思い出すのに時間は、かからなくて、裡に感じている、異物感。それを知ってしまった自分の身体にジンジンと血が巡り始め、どうしたら良いのか判らない、お腹の張り詰めた感覚に腰を少し上げたら、オッパの冷たい手がそこに触れた。

『ぁ・・・オッパ・・・』
『ミニョ・・・大丈夫・・・ゆっくり・・・しよう・・・』

腰を持ち上げられた腕に、下半身から、奇妙な感覚が、していた。何だろうと思いながら、それを把握した瞬間に痛そうな辛そうな顔をしているオッパに自分の痛みなど、どこかへ吹き飛ぶ様に薄れていた。

『オッパ・・ふぁ・・・テギョンssi・・・』
『テギョナだろう・・・ミニョ・・・そう呼んで・・・もう一度・・・』

背中に回る腕に、揺らされる感覚が、少しずつ、鼓動を早めていた。擦られる感覚に、感覚が、少しずつ、敏感になってゆき、繋がって、震える自分の身体の制御が効かない状態で、オッパの息遣いだけが、耳に残っていた。私を呼ぶ声が、耳を頭を全身の感覚を支配していた。愛してると幸せだとそう呟かれた言葉に零れた涙に寄せられた唇を、霞んだ瞳で捉えた瞬間、熱い、とても熱いものをオッパから受け取り、ああ、もしかしてと感じていた夜だった。




こんばんわーBlueMooNです(^^ゞ
これじゃぁ、きっと意味は判んないよね~と思いつつ、勿体無いからUP(*^o^*)
リンが、出来ちゃうきっかけベッドシーンだったんだよね(;´▽`A``
甘い話というか、ミニョが、気絶→記憶喪失!いやいやそれは、大袈裟だしーww
とか考えながら、いきついたら『できちゃった話』で落ちた作品でした(〃∇〃)
本編とは全く以て関係ない(笑)