★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★
語らせてたらSidestory出来ちゃった・・・(≧▽≦)甘くなるのかなぁ・・・
こんなんだけど、楽しんで頂けたら嬉しいですv(^-^)v
゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆
早春のパリは、想像していたよりもずっと暖かく、厚手のコートを着用していたミニョは、
暑いですねと言った一言に苦い顔をしながらテギョンの隣を歩いていた。
トボトボと後悔が滲み出た顔で隣を歩くミニョに繋いだ手をグッと引き寄せたテギョンは、
よろめいた体を受け止めると人目も憚らず胸に抱いている。
「そんなに嫌なのか!?」
背中に回した手を組んで、ミニョをスッポリ胸の中に閉じ込めて聞いたテギョンは、
見下ろした黒髪が僅かに揺れるのを見て、ギュッとテギョンのコートを掴んだ感触に
顎をあげると溜息をつき、口を開こうとした。
「嫌ではありません・・・ただ、申し訳なくて」
テギョンが、口を開くよりも先に言葉を発したミニョは、その顔が想像出来る程に
情けない声を出し、ミニョの答えを聞いたテギョンは、口角をあげ意地悪な笑みを浮かべている。
「申し訳なくて、か、だったら、何かしてもらおうかな」
淡々としたテギョンの一言だったが、バッと勢い良く顔を上げたミニョは、目の前の顔を見つめると
縋る様な瞳を向けて何度も頷いて、テギョンは、ミニョの顔をジッと見ていた。
「なんでも言ってください!」
明るく微笑むミニョは、嬉しそうにテギョンのコートの襟を掴み、その答えを待っている。
「なんでもねー」
ミニョの顔を見つめたテギョンは、そうだなと呟くとまたミニョの手を掴んで歩き始めた。
「オッパ!?」
先程までの足取りと違い軽い足取りでテギョンの横を付いて行くミニョは、左手に持った
紙袋を大きく前後に振っている。
「考えとく」
ミニョの顔を見ず、キョロッと通りを見回したテギョンは、あれだなと、反対側を
指差すと石畳の段から降り、ミニョを伴って扉を潜った。
「いらっしゃいませ」
上品な雰囲気の女性が声を掛けてきて、軽く会釈をしたテギョンは、英語で会話を始める。
早口の英語は、所々しかミニョには、聞き取れない様で、不思議な顔をしてテギョンを見つめている
ミニョは、頷いたテギョンが、女性と会話を終え、ミニョの方を向いた途端に目を白黒させた。
「どうした!?」
不思議な顔をしているテギョンに親指を立ててみせるミニョは、笑顔を浮かべる。
「オッパって、フランス語も喋れるんですね」
嬉しそうにテギョンの顔を見つめ、腕を下ろしたミニョはそう聞いた。
「は!?」
「だって、いつも通訳さん一緒にいるから」
テギョンは怪訝な顔をしていて、唇を撫でるように触れると少し考え込んでいる。
「今の、英語だぞ・・・」
ミニョの小さく驚いた顔にニヤッと笑ったテギョンは、その顔をミニョの耳元に近づけた。
「それともお前には、こう聞こえるのか!?」
ミニョの肩を抱いて、耳を食む様に近づくテギョンは、ふっと息を吹きかけながら
次の言葉を紡いでいる。
「Je t'aime」
耳元で聞こえた低音にその意味を十分理解しているミニョは、一瞬硬直すると、
ゆっくりテギョンを見上げ、ニヤついている顔を見てから俯き、挙動不審に
足元に視線を彷徨わせた。
「それとも、やっぱりこっちか!?」
そんなミニョの様子を楽しそうに見ているテギョンは、肩を抱く腕に力を入れると
耳元でサランヘと囁き、その言葉に耳を塞ぐ様に両頬を包み込んだミニョは、
真っ赤になって俯いていて、満面の笑みを作ったテギョンが、次の言葉を続け様と
した時、先程の女性店員が、手に藍色の箱を持って戻って来てどうぞと椅子に
手を翳している。
「残念だな!時間切れだ」
それでも、もう一度ミニョにそう囁いて、ミニョを促して椅子に座ったテギョンは、
テーブルに置かれた箱を確認して、サインをするとまた何か話し始め、
女性がミニョを見つめると何度か頷いて、また奥に消えて行った。
「オッパ!?」
ミニョが不思議な顔をしてテギョンを見ている。
「ん!?」
テギョンは、女性が持ってきた箱を開け中を確認していて、同じデザインの
ネックレスとイヤリングを見ると無言でそれをまた閉じた。
「ファランssiのですか!?」
「ああ、ここは、あの人がいつも使っている宝石店だ」
テギョンが、何気無く壁を見たが、ミニョもつられる様にグルリと周りを見回している。
年代物の調度品が並べられ、高級店である事は、ドアマンが扉を開けてくれた事でも
解る事だったが、ミニョは、見回した店内に今更ながらに気後れしたのか、
テギョンの袖を掴んだ腕に力が入り、落ち着き無い指先が何度も袖を握り直していて、
そんなミニョにクスッと笑ったテギョンは、大丈夫だと言ってミニョの手を包み込むと
テギョンの顔を見たミニョが、ゆっくり頷いた。
暫くして、奥にあるビロードの赤いカーテンが、斜めに開かれると女性がショーケースを持って現れ、
ミニョの前にそれを置いている。
「好きなのを選べ」
テギョンが向き直るとキョトンとしたミニョは、テギョンを見つめた。
「好きなのを選べよ」
テギョンは、そう言いながらも並べられたネックレスを物色して手に取ると、ミニョの胸元に翳し、
つけて見ろと手に取った金具を外し、その腕がミニョに近づく事に
まだキョトンとしているミニョは、テギョンの指先に視線を移している。
「どうした!?」
そう聞きながらもテギョンの腕は、ミニョに近づきその首筋にシャランと音を立てた
冷たい金属と指先が触れると僅かに肩をあげたミニョは、両手で髪を持ち上げ、
テギョンの体が前のめりに近づく事に身を任せた。
留め金を留めたテギョンが、ミニョの髪を掴んで後ろに流すとその肩に軽く触れ、
自身の方に向けさせ、その胸元を確認している。
「悪くないな」
今のテギョンにとって、最上級の褒め言葉であろう言葉が口をついて出て、
その言葉と表情に首元に触れたミニョは、どうぞと差し出された手鏡に
胸元を映した。
細く白い首に光るプラチナが、光の加減で輝き、角度を変えたミニョの手元に
リボンの上に星の形がデザインされたネックレスが映し出されている。
「気に入ったか!?」
ミニョの表情を見つめていたテギョンが、緩く笑うとデザインされた宝飾部分を
手のひらに乗せたミニョが、コクンと頷いた。
「そうか、じゃぁ、それにしよう」
初めから決まっていた様にテギョンが再び女性と話し始めると
サインを済ませ、テギョンの手に紙袋が二つ渡され、放心状態のミニョの腕を掴んで
立たせたテギョンは、自身の腕にミニョの腕を絡ませ、送りだしてくれた女性と
扉を開けてくれたドアマンに会釈をすると行くぞと言って歩き始める。
終始無言だったミニョは、暫くすると口をパクパクさせている。
「オ・・・オッパ!?」
水面で酸素を求める金魚の様に口をパクパクさせたミニョが、テギョンを呼んだが、
その反応に苦笑を漏らしたテギョンは、涼しい顔をしてなんだと聞いた。
「あっ、あ、あの、こっ、これって・・・」
ゴクッと喉を鳴らしたミニョは、息を吐き出すと呼吸を整え、高いですよねと聞いている。
「ああ、まぁ、それなりだな」
「えっ、でも、あの・・・」
ミニョは、何がなんだか判らないという顔をしてテギョンに聞いているが、
以前プレゼントされた星のネックレスとは、異質な重厚感がミニョを攻め立てている様で、
テギョンの顔を戸惑った顔で見上げて横を歩いていた。
「なんでもしてくれるんだろ」
ニヤッっと笑ってミニョを見たテギョンは、腕を掴んでいるミニョの手の甲に触れ、
ミニョを見ていた視線を僅かに空にあげると更に意地悪に頬を歪めている。
「ひとつ、増えたからな!ふたつだ!何でも、聞いてくれるんだろ」
その言葉に呆然とするミニョの顔を覗き込み、握った手に力を込め、
ふふと笑ってホテルへ足を向けた。
゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆
モ・ファランの体調が悪いらしいと秘書から連絡を受け、ミニョとふたり旅を決意した
テギョンには、実は別な思惑があって、アフリカから帰ってきたミニョと一緒の部屋で過ごす事は
当たり前になっているけど、それには何時だってメンバー全員の目が光っていて思う様に
ミニョとふたりだけになれない事にイラ立ちを募らせていたのだった。
゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆
「シャワー浴びて来いよ!」
部屋に入るなり、そう言ったテギョンは、ミニョから荷物を全て奪うと
それを持ったまま、奥のベッドルームに消えて行った。
テギョンの行く先を見つめたミニョは、不思議な顔をして首を傾げたが、
コートを脱いで、水音の聞こえ始めたバスルームに足を向ける。
「オッパは、入らないのですか!?」
ミニョへの要求はテギョンが話をはぐらかした事でいつもの調子に戻った2人は
夕食は下のレストランで食べようと会話をしながら部屋に辿りつき、
着替えをしようと言ったテギョンにミニョが聞くと、バスに腰を降ろして
湯加減を確かめているテギョンが、ミニョを振り返った。
「俺も入るけど、お前の方が時間が掛かるだろ!」
先刻、買い与えた物を身につけろとテギョンが、一つ目の要求を口にする。
「約束だろ!アレを全部着ろ!」
俯いたミニョの前に立ったテギョンが、その肩に両手を乗せてミニョを引き寄せると、
そっと、その頬に触れるだけのキスをした。
触れる唇の感触にミニョが頬に手を当てると、離れたテギョンは、また近づき、
唇を掠めるようにキスを奪っていく。
「レストランの予約をしておくから、風呂に入って来いよ」
約束という言葉に縛られているミニョは、素直にコクンと頷くと、テギョンと入れ替わる様に
バスルームに消えて行き、ドアが閉まるのを見たテギョンは、ニヤッと笑うと、ルームフォンを手に取った。
ミニョが、バスルームから出てくると、一時間程が経過していて、
バスローブに身を包んだミニョは、タオルで髪を拭きながら部屋の中を見回した。
ベッドにミニョの為の衣服が並べて置かれ、下着までもそこに置かれている事に
恥かしそうに赤くなったが、テギョンの姿が無い事に不思議な顔をしている。
ベッドルームとリビングスペースになっている部屋の扉は締め切られていて、そちらの
部屋の様子は見えない為、ミニョは、トコトコッと扉に近づくとそぉっとその扉を開けた。
テギョンが、ワインを片手にテレビを見ていて、その隣のテーブルには、何故かディナーらしき
物が準備されている。
首を傾げたミニョが、オッパと呼ぶとテギョンが振り返った。
「出たのか!?」
「はい、あの・・・これ」
ミニョが、食事を前にリビングスペースに一歩立ち入るときょとんとして見つめているが、
立ち上がったテギョンは、振り返り様にタイとシャツのボタンを外していて、ミニョの肩を掴むと有無を言わさず
振り向かせ、ベッドルームに連れ戻していく。
「あっ、あの、オッパ、レストランじゃ」
ミニョが、口を開き掛けたが、テギョンは、ミニョの肩をベッドに向かって軽く押すと
着替えてろと言って、バスルームに消えてしまった。
「えっ、えっと、あの・・・」
既にテギョンのいない部屋にミニョの声だけが虚しく響き、テギョンに向かってあげた腕も
宙を彷徨って下に降ろされる。
「何!?」
訳が解らないという顔をしたミニョは、タオルを掴んでいた左手を上げると、
それを頭に被せてまた髪を拭いている。
「オッパ、何を考えてるの!?」
そんな独り言を呟いて、それでも、テギョンの用意した服に着替えるのだった。
テギョンが、バスルームから出て来るまでの間、リビングスペースに居たミニョは、
横に並べられている料理を一つ一つ蓋を開けて確かめ、美味しそうと言って
少し摘み、食べたいと言っていたレストランの食事であることを確認して、
テギョンの思惑を考え、考え疲れたのか、ソファに座ってテギョンの様にテレビを見ていた。
言葉も解らない映像ばかりだったが、中には英語の放送もあって、それを見始めた
ミニョは、可笑しそうに笑いながら、テギョンを待っていた。
バスルームから出たテギョンは、ベッドにミニョの着替えがない事を確認して小さく笑うと、
ドライヤーを使ったらしい髪は既に乾き、着替えた服もミニョに着ろと渡した物に比べると
ずっとカジュアルで、隣に並ぶにはあまり似つかわしくない装いをしている。
「あいつ、全部着たのか!?」
下着は、ミニョが選んだもので、向こうで揃えれば良いと言い張ったテギョンに碌に荷物も
持たない渡欧だった。
それでも、最低限の身だしなみとして下着くらいは、持ってきましたと言ったミニョが、
実は、カバンを間違えていた事が発覚したのは、ド・ゴール空港に着いてからだった。
良くパスポートを持っていたなとテギョンが、呆れ、ファランに頼まれた用事もあって買い物をしようと、
ホテルのチェックインをしてから出かけたが、暑いと言ったミニョにコートを買い与え、あちこち見ている
間にミニョが、見惚れていたワンピースを買った。
それが、事の始まり。
その時は、まだ、何も考えていなかった。
それを着せて、出かけよう位にしか思っていなかったテギョンにミニョの一言は、天の采配だったのか。
「ふん!あいつが言い出したんだからな!約束は守ってもらうぞ!」
ほくそ笑むテギョンは、ベッドに近づき枕元の明かりを点けるとぼんやりしたオレンジの光が灯り、
ミニョの居る、リビングスペースに続く扉の前に立ったテギョンは、ベッドルームの明かりを消して振り返り、
灯る明かりを確認して扉を開けた。
笑い転げているミニョに声を掛けたテギョンに振り返ったミニョは、テギョンが、テーブルに近づいて来るのを
見つめながら立ち上がって、テギョンの正面に立っている。
上から下まで見つめているテギョンに同じ様に上から下まで見つめるミニョは、肩に付くほど首を曲げ、
テギョンは腕を組んで唇に触れている。
「なんでそんな格好なんですか!?」
「下着も着けたか」
ミニョとテギョンが同時に口を開いて、前に指を指しているミニョは、テギョンの言葉に目を見開いてゆき、
頬に手を添えると真っ赤になる顔が、徐々に俯いていった。
「なっ、どっちでも今は、関係ないじゃないです!」
「どっちでも!? 着けてないのか!?」
テギョンの表情がミニョのおかしな言葉に怪訝な顔をするとスカートの裾を見つめて腕を伸ばした事にざざっと音が聞こえる程慌てて、後ずさったミニョは、前を押さえ違いますと言っている。
「オッパこそ!レストランじゃなかったのですか!?」
「ああ、気が変わった」
「そんな、じゃぁ、これ着なくても良かったんじゃ」
「良いだろ!俺好みの服を着たお前が見たかったんだよ」
それよりも食事をしようと言ったテギョンにお腹の空いていたミニョも嬉しそうに頷くと
隣同士に並んだふたりは、やっと夕食にありついたのだった。
*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆
食事を終えたふたりは、明日の予定を話ながら、ソファで寄り添っていた。
時折横を向いては触れるテギョンの唇に擽(くすぐ)ったそうに顔を背けるミニョは、
それでも、逃げることもなく、テギョンのするがままに身を任せている。
「コ・ミニョssi、お願いのもうひとつ叶えて頂けますか!?」
明日の予定もほぼ確認し、テレビにも退屈してきたミニョが、欠伸を噛み殺した頃、テギョンが、やけに丁寧にミニョを呼ぶと目を丸くさせたミニョは、テギョンの顔を見た。
「あっ、お願い!もうひとつありましたね」
ミニョは、思い出しましたと笑顔になるとなんですかとテギョンに聞き、
難しい事を言われるかもという戸惑いも無く、むしろ期待が伺える瞳でテギョンを見ている。
その顔に薄く笑うテギョンは、ミニョの肩に回していた右手を引くと左手で前を指差した。
「ここに立て」
言われるまま素直に立ったミニョにテギョンの腕が伸びると両手を握って引き寄せている。
テギョンの大きく開かれた足の間に立つミニョは、まだ期待にワクワクした瞳をしていて、
その顔を見上げながら、ミニョの手を握っているテギョンは、クスクス笑った。
「オッパ!?」
不思議な顔をしたミニョは、首を傾げている。
「お前、何も考えてないだろ」
ミニョを見上げながら、右手を離すテギョンは、自身の唇に触れたが、
まるで誘う様にミニョに向かって開かれる唇に、きょとーんと見つめていたミニョは、
何かを感じ取った様に踵を僅かに動かし、視線を少し下げたテギョンが左手を引いた。
「折角の申し出だし・・・何をして貰おうか、ずーっと、考えてたんだけどな」
テギョンの開かれた足の間で再びよろけるミニョは、その左腿に転ぶ様に尻餅をつき、
座る格好になった事に慌てて腰を浮かせ立ち上がろうとしたが、テギョンの左手が、
素早くミニョの腰に回って、細い腰の向こう側からミニョの腿を押さえ、右手も腰に回ると
重力を与え逃がさない様に抱いていて、一言一言時間を掛けて口にしているテギョンは、
ミニョの顔に息が掛かる様に言葉を紡ぎ、テギョンの回る右手に手を掛け何度も腰を浮かせ様と
膨らむ頬で抵抗を見せるミニョにテギョンが、小さく辞めろと言っている。
膨らみきった頬でテギョンを見つめたミニョにテギョンが、そっと触れるだけのキスをすると
ミニョの頬は、膨らみが消えて赤くなっていき、そんなミニョにクスッと笑っているテギョンは、
腕を回せと言った。
言われるまま、テギョンの首にミニョが腕を回すとミニョの腰に回っていた腕が太腿の裏に回り、
ミニョを抱え直して体制を整えたテギョンが、ソファに座り直している。
「声を出して貰おうかと思ってな」
「こ・え・!? ですか!?」
テギョンの腕からは、逃して貰えないと諦めきったミニョは、その顔をジーッと見つめて聞いた。
「声って、いつも出してますよね」
歌ですかと聞くミニョにクスクス笑うテギョンは、違うと首を振り、テギョンの首に腕を回しているミニョは、
肘を真直ぐ伸ばすと体を引いてテギョンの顔を見直している。
「その声じゃない」
ミニョが引いた体を腰を抱いているテギョンの腕が引き寄せ直すとその腕が背中を昇って首に触れ、
そこを指先で刺激されたミニョの首が竦んだが、テギョンが、すっと髪に指を絡めるとミニョの顔を
傾け唇まで数センチに近づいた。
「それ以外にあるだろう」
ないですよと口を開こうとしたミニョの開いた唇を一瞬で捉えたテギョンは、
垣間見える舌でその唇に触れる。
「・・・ぁっ」
「ほら、そっちの声・・・」
ミニョの頬を滑りながら耳元に近づいた唇から低い声と共に熱い吐息がミニョに与えられた。
硬直していくミニョの体を抱いているテギョンは、クスクス笑っていて、その息もミニョの耳元を掠めている。
「お前が言い出したんだからな」
テギョンが、ミニョに追い討ちを掛けるが、固まったままのミニョは、まるっきり思考が停止しているようでピクリとも動かず、それを了承と受け取ったぞと呟いたテギョンは、ミニョの膝裏に腕を入れるとその体を抱き上げ、ベッドルームに歩いて行くのだった。