『それで!?』
『それで!?』
『だから!?』
『だから!?』
繰り返される鸚鵡(おうむ)返しに浮かんだ青筋に音も付いて来た頃。
ひっくり返ったミニョは、テギョンに圧し掛かられてベッドに沈んでいた。
『きゃー、オッパ、重いっ重いですぅ!』
バタバタ暴れるミニョの服がところどころ捲れている。
『うるさいっ!お前って奴はっリンみたいなことをしやがって!』
それを直し、でも、捲って、舌舐めずりをしたテギョンは、自分の手を見つめた。
『ッ、リンがっオッパの真似をしているのですってばー』
『そんな訳あるかっ!俺がいつっそんなことをしたっ!』
『言わないけど目は語っ・・・ってッくあ重ぁ・・・』
『チッ!ミナムだな!ったく、ある事無い事言いやがって!あいつめっ』
二人羽織の如く重なったテギョンは、更に体重をかけた。
『オッパー、重たいですぅ』
ミニョは、バッタバタと布団の上で泳いでいる。
『うるさいっ!大体何でこんな格好をしたのかまだ聞いてないっ!』
『さっ、さっき、さっき話をしましたよー・・・子供達に踊ってくれって頼まれたのでぇ・・・』
『踊るだけなら衣装なんて着る必要ないだろう!』
『うっ、だって、リンがこれが良いって言うんですものぉ』
ミニョの腰に座り込み背中を押し始めたテギョンは、肌に直接手を乗せた。
『おっ、お前っ、俺よりっあんなガキが優先かっ』
『だっ、だって、だってー、オッパはいなかったのですからー仕方が無いじゃないですかぁ』
肌に伸びた手が背中のホックに罹り、それを感じるミニョはまた暴れている。
『俺が居たらっ!?イッ・ユンギも居ただろうっ!あいつにも頼まれたんだろう!』
『そっ、それは、まぁ・・・ユンギssiが持ってきた衣装ですけどぉ・・・』
ミニョの脇に手を差し込んだテギョンは、ズルズル引き摺って座らせた。
『あいつはなぁ下心が見え見えなんだよっ!お前の露出を見たかっただけじゃないかっ!』
『露っ、やっ、ん、でも、衣装ですし・・・』
脇を締めるミニョの腕も虚しくテギョンの手が膨らみをわし掴んでいる。
『衣装でもなっ限度があるだろうっ!』
『やっぁっ、でも、ほらっ!かぼちゃ!かぼちゃ被っていましたからっ!』
膨らみの包みに指を引っ掛けたテギョンはそれを捲り、抵抗するミニョは、後ろを振り返った。
『かぼちゃ被ってたってお前だって事に変わりは無いんだよっ』
『そうですけどぉ』
『チッ!俺のものを勝手に人に見せやがって』
『わたしのですよー』
肩に顎を乗せたテギョンとミニョの唇がぶつかっている。
『お前に選択権なんかないっ』
『うっ、意っ地悪っ』
『もっと苛めてやろうか!』
テギョンの手を掴み脇を緩めるミニョは、そうっと振り返り、コツンと額をぶつけた。
『遠慮します』
『ふっんっリンの奴、最近お前に似て生意気過ぎだっ』
『オッパに似てっ・・・ですよ』
『はあぁ!?』
ミニョと額で相撲を取るテギョンの視線が横に流れた。
『ドッチもドッチだもん!アッパとオンマの子供で間違ってなくて良い事だよねー』
寝室のドアの前でニンマリ笑ったリンが白い紙を振った。
『はっ!?リンッ!どういうっ』
『ちょっと待て!ファン・リンっ!』
勢いよく横を向いて歩き出したリンにミニョが腕を伸ばし、テギョンが叫んだ。
『なぁにー』
『この衣装どういうつもりで選んだんだ!?』
戻って来たリンは、ドアにへばりついて顔を覗かせ、テギョンは、ミニョの両腕を持ちあげた。
『アラビアンナイトのお姫様が着てたー』
『・・・それだけか!?』
万歳の格好のミニョは、テギョンを見上げて膨れている。
『うーん・・・アッパも本当は好きでしょう!?』
『えっ!?』
『はっ!?グッ・・・うっ、いっやっ・・・それは・・・』
見上げたまま首を傾げるミニョを覗いていたテギョンは、腕を下ろしながら座り込み振り返ろうとするミニョを抱きしめた。
『シヌヒョンとユンギヒョンが言ってたよー、気に入らないのは、かぼちゃマスクだったってー、オンマってせくしーだからかぼちゃが怖くて変なんだってー』
『あー、解ったもっ、もう良いからっ行けっ』
首を振るテギョンにリビングへ駆けだしたリンのピアノの音がすぐに響き始めた。
『チッ・・・あいつら余計な事を・・・』
『オッパ・・・どさくさ紛れに服を脱がさないでください・・・』
冷静過ぎる声音で振り返るミニョにテギョンがきょとんとしている。
『なんだよ・・・』
『こういうの好きなのですかぁ!?』
『は!?』
『露出が多すぎるって夏に着てたワンピース!・・・着替え、させましたよね』
『あれとこれとは違うからな・・・』
『衣装だからっ!?こっちの方が露出が多いいと思うのです・・・けど・・・』
ジットリ見つめるミニョは、ぷっくり膨れ、暫く見つめ合ったテギョンは、そのまま倒れ込んだ。
『ふっ、お前を見せびらかしたいけど見せたくないし、複雑なんだよっ!俺って奴は!』
『でーもー、こっちの方が過激な感じですよー』
『でもこっちの方が、遠くて手が届かない感じがする』
『あ・・・』
足をバタつかせたミニョは、くるんとひっくり返され、仰向けでテギョンを見上げた。
『こっちは神秘的で手を出しにくい感じがするんだよっ!ま、あくまでイメージだがな!それにかぼちゃを被っていたから』
『間抜けだって思ったのでしょう』
『ふ、間抜けでも事故多発地帯でも俺にはお前が一番綺麗に見える』
『・・・オッ・・・ッパぁん』
塞がれた唇から零れた吐息は、二度三度とテギョンに吸い込まれた。
『ッ・・・急がないと時間が無いな』
ミニョを抱きしめるテギョンは、少ない布を引っ張っている。
『時間!?』
『ああ、リンが譜面を持って行っただろう!今弾いてるやつだ!まだ直してないから、飽きたら邪魔をされる』
『は!?へっ!?』
『枕は、お前の腹で寝る為なんだろう!?だったら俺に枕は必要ないからな!』
『ちょ、オッパ!何をっ!』
腹に下りて行くテギョンの頭を抑えつけたミニョは、そこに落ちたキスに息を呑んで精一杯声を殺し、ククッと笑うテギョンは、短い時間を大いに楽しんでいたHalloweenの夜だった。
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HappyHalloween |
ベラドンナは、毒草の名前で有名なのでご存知の方もいらっしゃるでしょうが、
イタリア語の 「ベラ ドンナ (美しい女性)」がそのまま植物につけられた名称です。
「美しいものには棘がある(主に薔薇)」とか「美しいものは毒がある(主に生物)」とか
女性の代名詞でも良く使われるフレーズ。今回は、イタリア語の意味で使用しました。
ベラドンナの実は猛毒があるので絶対に食べてはいけない........んだけど、
漢方にも実はあったりして(^▽^;)毒と薬も表裏一体なのよねん( ..)φメモメモ
ヨーロッパ自生のブルーベリー似の大きな実。
そちらを旅される機会のある方は、野生種には特に気を付けてね。
と、豆知識披露したところで10月更新終っ!次は、まぁ、いつもの如く適当にお会いします(^^)/
いつもいつもいつもどうにもならないテギョミニョリンに付き合って頂いて感謝しておりますm(__)m
またねー*****≫))))(/_x)/.元はこちら→ベリーナイトハロウィン!?(1)