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Moonbeams―(5)

 ★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★ 
チョンマルロ~ チャンピョン~σ(^_^;) 
ヨルシミヘソ~ イコ チュミョ~ン キップダーヨー(^人^)
長編過ぎた~頑張って読んでくれると嬉しいでーす(^^)ミアネヨー(^^;)

 ゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆


CM撮影の時だったな
相手役がお前と決まっていた筈なのに
行ってみたら
似ても似つかない別な女がいて
ジェルミとミナムが文句を言って
撮影が始まらなくて
プロデューサーともめたんだ



「ミニョだって聞いたから俺達この仕事受けたんだろ!」
「大体、大型新人だか何だか知らないけど生意気だよ」
「ふん、ヒョンのファンだってバレバレだぜ」
「事務所を使ったに決まってるよ」



勿論、俺も面白くなかったけど
実は、シヌが一番怒ってたんだよな



「そうなのですか」



ああ
あいつ
ドラマの撮影を抜け出して参加してたんだ
社長にどうしてもって頼み込んで
俺達と別撮りは嫌だと言って
珍しく我儘を言ったんで
社長も驚いてたけど
なのに
お前がいなかった



「あの時、確かわたしは別Vr.を撮られると聞いていて・・・」



そうだったな
コンセプトは、実は二つあって
でも
俺達はどちらもお前だと聞いていた
特にあれは俺の相手役だったしな



「もしかして、それで・・・」


何のことだ


「何のことって・・・」



別に何もしてないぞ
向こうの都合だろ



「あっ、意地悪な顔しました」



見間違いだな



「そうですか!?」



まぁ、聞け
とにかく
邪魔だったんだよ
俺達には

キャーキャー煩いだけだし
演技も碌に出来ない新人なんて
時間が押すだけだしな


「わたしもっ・・・・・・って、睨まないで下さい」


うるさい
お前は俺達と何度も撮影をこなしていただろうが
ミナムとしてだけど
コ・ミニョは新人でも
お前は違っただろ



それで
あの女の事を色々聞いたんだが
事務所というよりスポンサーの問題だったんだよ
重役の娘かなんかだったらしくてな
当日に乗り込んできて
プロデュサーにお前と取り替えろと言ったらしい
コンセプトに合わないとか何とか言ったらしいけど
あんな女よりお前の方がよっぽど似合ってたぞ



いや、まぁ、だから膨らむな
(・・・可愛いだけなんだけどな)
シヌの話だったな
あいつ
まだお前への気持ちを持ってたんだろうな
俺にかっこいい事言ってたけど
お前に対する気持ちは
まだ捨てきれてなかったんだろ



「オッパ・・・」



勘違いするなよ
俺はそれに対してどうこうは思わない
シヌはシヌで精一杯頑張ったけど
お前には届かなかった
ただ、それだけだ
同情してやるつもりも無い
あいつはあいつの恋をしっかり駆け抜けたんだろうからな
俺はお前を譲ってもらったとも思わないし
お前は最初から俺しか見てなかっただろ



「・・・はい」


とにかく
シヌはお前と仕事をする事で
諦める事を自分に強いてたんじゃないかと思うんだ
お前が戻ってきて
俺と一緒にいる姿とか
本当は見るのも辛いんじゃないかと思うけど
あいつはそういうことを尾首にも出さないだろ
いつでも涼しい顔をしてる
けど
あいつに
お前を取り戻しに行けと凄い顔で睨まれた
あの時は
流石に俺もあいつが如何に本気でお前に惚れてたかを思い知ったさ
だからこそ、お前を捉まえる事に余計必死になれたのかもな
あいつを傷つけたのは俺だから



「わたしも同罪です」



ああ、わかってる
だからこそあいつには余計に幸せになって欲しいんだ


「はい」


撮影の話だったな
それで
シヌがプロデューサーに詰め寄ったんだけど
あいつ
何を考えてるか判り辛いから扱い難いだろ
大人すぎて
時々物凄く策士的に動く
俺もそれに散々やられたけど
詰め寄った内容が凄かったらしい



「何か言ったのですか!?」



言ったというよりも
やったんだよな
その女の前に立って
にっこり笑いやがった



「どういうことです!?」



極上の笑顔を振りまいて
女とその連れてた
多分、向こうの社員だろうな
女にペコペコしてたから
そいつらの前に立って
笑顔を浮かべて
どういうおつもりですって
聞いたんだけど
向こうもスポンサーだということを嵩に来てる訳だろ



「どうって、私がこのCMに出る事になったんです!」
「俺達は何も聞いてないけど」
「あら、連絡ミスかしら」



女の図々しい声が聞こえてきて
静かだけど
凄く
こう
耳障りな
シヌの声を初めて聞いたな



「耳障り!?」



ああ
嫌味がたっぷり篭っているというのかな
静か過ぎて
冷たくて
思わず引いてしまう様な声だったんだ
実際
ジェルミとミナムが青褪めてドン引きしてたからな
あいつらのあんな姿も見たこと無かったぞ
特に
オドオドしてるミナムは見物だった
まるで、撮影初日のお前を見てる様だったな



「オッパ!!!」



チッ、また逸れたな
とにかく
シヌが怒ってたんだよ




「プロデューサーには、お話してありますわ!
スポンサーの意向ですの!急遽でしたが、こちらのコンセプトは
私になりましたので、宜しくお願いします」



シヌに向かって笑顔で深々と礼を尽くして頭を下げたんだよな
あの女
でも
その頭が上がる前に
シヌは
その場を離れて
プロデュサーの所に向かってた



「ちょっと、ヒョンどうにかしてよ!シヌヒョン、あれマジで切れてるよね」
「そっ、そうだよ、ほっといていいの!?」



ジェルミとミナムが慌ててたけど
俺も何の話も聞いてなかったし
まして
契約に無いものを受け入れる気も
無かったからな



「どうされたのです!?」



電話した



「電話!?」




ああ
あの契約は元々
お前のデビューを聞きつけた
社長の友人でもあるスポンサーに
どうしてもって頼まれて
引き受けたものだったんだ
それを向こうの都合で
勝手にかき回されるなら
俺達は全員降りるとな




「それは、A.N.Jellだから・・・」



もちろんそうだ
俺達は自分達の価値を良く判ってる
お前一人なら
何のメリットも無いからな



ふっ、落ち込むな
今のお前には
まだ
というだけだ
俺達にもそういう頃があったのを知ってるだろ



「はい」



シヌがプロデューサーに何を言ったのかは知らないが
戻って来た
あいつに
降りるだろって聞かれたんだ
電話は繋がったままだし
社長は慌ててたけど
ああと言った



「ちょっと待てテギョン!シヌ!降りるってどういうことだ!」
「俺達の聞いてる内容じゃ無くなってるぞ!」
「十分契約違反でしょ」
「ちょ、ちょっと待てっろ!すぐ確認するから!!」



社長が連絡をしたんだろうな
A.N.Jellが降りるって
お前の事はすまないと思ったけど
お前と一緒の撮影が出来ないなら
俺達には意味の無い仕事だったからな



「だから」


なんだ


「スタッフの方が途中で呼びに来られたんです」



ああ
お前の撮影は一人だっただろ
後から俺達と合流する筈だったんだけど
あの女もプロデュサーも
お前を見て驚いてたな
知らなかったんだろうな



「コ・ミナム!?」
「コ・ミニョだ」
「A.N.entertainmentの新人って」
「こいつだ」
「話題性はこっちの方があるんじゃないですか」
「俺の妹だからね」



プロデューサーは手のひらを返してた
あの女は
一緒にいた社員の所に電話が掛かってきて
廊下で女を宥めていたらしい
そこにシヌが留目を刺したらしいな


「らしい!?」


ああ
俺は見ていない
お前と一緒にいただろ
ジェルミとミナムが見てた



「あんなヒョンもう二度と見たくないよー」
「怖かったよー」



そう言ってたな


「何をされたのですか!?」


聞きたいか


「えっ!?えっと・・・・・・怖い顔ですね」


ふっ
シヌはもっと怖い顔をしてたらしいぞ
女の顎を掴んでその唇にルヂュを塗ったらしいからな


「似合わない女には勿体無いね」


そう言ったらしい


「シヌヒョンが・・・」


ああ
あの後
お前と撮影してる時のシヌは
いつもと変わりなかっただろ
俺も撮影が終った後に聞いたんだ
それで余計に思ったんだ
お前を手に入れる為にシヌは
きっと
あらゆることをしたんだろうなって
でも
お前の心は



「オッパ」


そうだな・・・
沖縄で
教会で
お前とシヌが抱き合ってるのを見たんだ
あの時は
悔しかったけど
何も
出来なかった
お前を突き放したのは俺だったし
その場を離れる事しか出来なかった
お前の気持ちも
シヌの気持ちも
俺の思いも
行き場が無かったんだと後になって知った
俺は
こうして
お前を手に入れたけど
シヌは
きっと
まだ
お前を思ってるんだろうな
お前が戻ってきて
同じ仕事を始めて
俺の我儘で俺の傍で仕事をさせてる
あいつの気持ちを考えないわけじゃないけど
俺には
お前が大事だ
この手を
離したくない
ジェルミも
もしかしたら
そう
思うけど
シヌ程ではないのかな


「私はそれでもオッパの傍を離れたくはありません」


ああ
判ってる
俺も離さない
シヌやジェルミの気持ちを知っていても
お前は俺だけのものだ
あいつ自身が自分に強いているものが
たまたま外に向いただけだ
お前と仕事をする事で強いてる何かに触れただけだ
あの女は
たまたま居合わせた場所が悪かっただけなんだよ
お前が気に病む必要も無い



「オッパ」


長くなったな
お前の仕事もこれから忙しくなっていくだろうけど
いつでも俺が傍にいる事を忘れるな
いつでもお前の一番星として輝いていてやる