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Far away, to you, I want to say(お家に帰ろう)!?(2)

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『ただいまですっ』
明るく元気にニコニコ笑顔を振りまいて、疲れたと言いながらも廊下の端で、ピッと敬礼を真似たミニョが、リビングを見回した。
『あれ、皆さんお揃いですねっ』
玄関からそこまでミニョが見えていたのは、ミナムの姿だけだったので、驚いた顔が、ダイニングに立つ3人に向けられた。
『ああ、今日は、皆一緒に帰って来たんだ』
戸惑うテギョンに冷静なシヌ、動揺するジェルミと反応は様々だが、立ち上がったミナムが、ミニョのバッグを取り上げてソファに促していた。
『コレクションモデル成功だったみたいだな』
『はいっ!沢山の方に来ていただきましたっ!夢みたいでしたけど・・・』
ポーッと遠くを見たミニョは、この数日の出来事を話し始めたが、お土産と言った処で、ハタと玄関に荷物を置きっ放しだとほんの数分で引き返し、ミナムも一緒にリビングを出て行った。
『ったく、俺達に挨拶は無しか』
『しただろう』
『元気そうで良かった』
ジェルミの一言は、テギョンの瞳を動かしている。
ギロンと動いた瞳に失敗したという顔のジェルミは、怒られていた事を思い出してシュンとなり、テギョンの無言の威圧に居た堪れない表情をした。
『テギョン・・・』
『チッ・・・判ってる・・・』
これ以上、今は話すべきでない。
シヌの懸念に応えるテギョンは、玄関を見つめながら部屋に戻って行き、背中を叩くシヌに促されてひとつ深呼吸をしたジェルミは玄関に向かった。
『結婚か・・・』
キッチンに立ったシヌは、お湯を沸かし始め、ミニョの為のお茶の葉を選び始めていた。
傷んだ心臓は、まだ痛い。
ジュクジュク責めるのは、それが、綺麗になる女の姿が、自分の手によるものじゃないからだ。
女という生き物は、こうも変わるのか。
明け透けなそれをきっと本人は、気づいていない。
その朝、見つけた姿に覚えた違和感は、もう、遠い恋だと思っていたのに笑う顔に締め付けられた心臓を、破裂しそうな程体動させ、全身を貪った。
集中する勢いを制することも出来ず、した事。
男ならそんな事もある。
けれど、何か目に見えない大事なものを破壊した気分にさせられた。
何度目かでそんな事にも慣れたが、それは、男の態度が、あまりに変わったからだった。
『プロポーズでも考えてるのか・・・』
『ヒョン!見て見て!ミニョのお土産だってー』
シヌの呟きは、両手いっぱいにお菓子とジュースを抱えたジェルミに遮られた。
ミニョも沢山の袋を抱えて、玄関で開けたらしいクッキーを食べているミナムが、ポリポリ口を動かしながら荷物を持って2階へ上がっていくのを見つめ、テーブルに拡がるお土産に笑顔を浮かべていたシヌであった。