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Far away, to you, I want to say(お家に帰ろう)!?(15)

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『明日でお別れですねー』
砂浜を戻ったふたりは、最終日をずっと部屋で過ごす事を決め、食事も全てルームサービスにしようと言ったテギョンに従って一日中海を見て、プールで泳ぎ、休み、そんなのんびり寄り添っているだけの時間を過ごしていた。
『ロマンチックともお別れだ』
『ふふ、ロマンチックは、ヒョンの中に無いのでしょう!?』
皮肉の籠るミニョの物言いにテギョンが抱いていた腕に力を籠め、痛そうに慌ててそれを掴んだミニョは、笑いながら謝った。
『ロマンチストだと言ったのはお前だぞっ』
『ふふ、だって・・・』
テギョンに後ろから抱かれ、胸に凭れているミニョの前で太陽は、輝きを弱め、地平線の色を変え、向きを変えようとしたミニョの前にテギョンがそっと小さな箱を差し出した。
『えっ!?』
『究極のロマンチックだろう!?』
蓋の開いた箱の中には、大小の指輪がふたつ光り、不自然な体制で手にしたミニョは、小さい方をテギョンが台座から抜くのを見つめた。
『夜に星、昼に月、胸にシルバー、髪にリボン・・・耳に・・・指先は、これで良いだろう・・・』
薬指に嵌められる指輪を見つめ、きょとんとしているミニョは、箱を持ち上げたテギョンに中身を取る様促され、左手を差し出された。
『嵌めてくれないのか!?』
『えっ!?』
『神様の前じゃないと嫌だとか言うなよ・・・そっちは、もっと良い物をくれてやる』
『えっ!?えっ!?』
『プロポーズしたのに指輪も無いんじゃ恰好がつかないだろう』
饒舌な話を聞きながら手を見ていたミニョは、指輪を見てテギョンの手にそっと触れた。
『ふ、これでお前は、俺から逃げられない・・・』
『逃げるつもりなんてないです・・・』
『一生を縛られるんだぞ』
『私もヒョンを縛れるって事ですよね』
笑うミニョにテギョンも笑う。
そんな穏やかな時間。
ただ、寄り添って、振り向いたミニョは、カウチに倒れるテギョンの胸に手を乗せ、掴まれた頭を寄せた。
『ぅ・・・ん・・・ここでは嫌ですよ・・・』
離れた唇に解放的な空間を振り返るミニョは、剥れている。
『ベッドならお気に召すのか!?』
首を伸ばしたテギョンの胸を軽く叩いたミニョは、起き上り頬にキスをしたテギョンに抱き上げられた。
『ここが、ハネムーンみたいだな・・・』
『うーん、ハネムーンは、もっと豪華なところが良いです・・・』
テギョンの首に腕を回したミニョは、しっかり抱きついている。
『贅沢な・・・』
『ヒョンが何でもしてくれるからいけないのですよー』
『ふ、ん・・・お前に贅沢を覚えさせたのは俺ばかりじゃないだろう』
『そうですけど・・・ヒョンが一番贅沢な物をくれますよ』
『じゃぁ、代価を払え!貰ってやる』
『えっ!?』
ベッドにミニョを転がしたテギョンは、ボスンと上から覆い被さり、頬を撫で、髪を掻き揚げた。
『物が欲しい訳じゃないだろう・・・』
『ぁ・・・んっ・・・』
顔の両脇を挟み込んでミニョを見下ろしているテギョンは、不敵に笑い、口付けを落とした。
『俺の代価は、これで良い・・・』
触れた唇が、離れ、数度啄ばんで薄く開いたミニョの唇を深く覆った。
『っ・・・あ』
『サランヘ・・・コ・ミニョ・・・』
『・・・・・・サランヘヨ・・・テギョンssi・・・』
水着姿のミニョをあっという間に生まれたままの姿に変え、ミニョが引っ張っるパーカーを脱ぎさるテギョンのその後ろで、最後の夕日が沈み始めていたのだった。