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doll!?

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『dollですか!?』
『ああ、椅子に座ってるだけなんだ』
『どのくらい!?』
『うーん依頼にもよるけど一時間位で、ポーズは変えられるよ』

そんな会話をした翌日、何故何故こんな事になったんだと考えてまあるい目を目一杯丸くして白黒させているミニョの前にテギョンがしたり顔で立っていた。
愛らしいピンクのシフォンチュニックを着たミニョは、でも、チュニックだからパンツを合わせたりスカートを穿いたりするだろうと淡い期待を寄せていたのを見事に裏切られ、素足のまま、あまりに短い丈に何度も裾を伸ばそうとする手をその度叩かれていた。

『勝手に弄るな!』
『うっ、でも、オッパぁ・・・』
『でももだっても言うな!お前が言いだしたんだ!』
『違っ』
『違わないっ!約束したことは守れ!』
『で、でもぉ』

外では決してこんな恰好をすることを嫌う癖に今はニヤニヤニタニタ、決して見たくないファン・テギョンだ。

『うっ、オッパのスケベ・・・』
『あ!?何か言ったか!?コ・ミニョ!?』
『エッ!?イッ、いえっ・・・何も・・・』

シュンと小さく肩を竦めたミニョは、ピアノに向かうテギョンを眺め、俯こうとした顔を慌ててあげた。

『まだ10分も経ってないぞ!それに誰が足を降ろして良いと言った!』
『うっ・・・』

背凭れに腕を乗せ、その上に顔を乗せて横を向くミニョは、ピアノ側に下ろしていた脚を引き上げた。

『ふ、良い眺めだな』
『オッパって、こういうの好きなのですかぁ』

半ば、諦めたという顔でミニョが前を見たままテギョンに聞いた。

『嫌いな男はいないだろう』
『うっ・・・足がスースーします・・・』
『寒いならエアコン切るか!?』
『いえ、それは、大丈夫・・・です』

恥ずかしいからスースーするのだ。
意識がそこに集中するから何も無くても挙動不審になってしまうのだ。
そんな事を考えていたミニョは、やがて聞こえ始めた音に耳を寄せていた。

『ふふ、素敵な曲・・・』

そうしてやがて眠ってしまったのだ。


★★★★★☆☆☆★★★★★


『ふ、dollね・・・お前には無理だと教えてやった方が良かったか・・・』

眠ってしまったミニョの傍らでチュニックを捲るテギョンは、その体を抱き上げていた。
ソファに横たえミニョの足に触れる。

『チッ!こんな短い服で外を歩くとか絶対無理だ!そんなことさせられるか!』

まして、ショーウィンドウに立つなど以ての他だ。
そんな事を考えているテギョンは、唇を一撫でしてニヤリと頬をあげた。

『キスマークのひとつでもつけておいてやるか』

そう言いながら、ミニョの太ももを持ち上げ、赤より黒いキスマークをくっきりはっきりつけたとある日の出来事だった。