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Far away, to you, I want to say(お家に帰ろう)!?(11)

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ホテルは、こじんまりとしたコテージを備え、プライベート空間を満喫出来る離れ家の造りで、フロントで流暢な英語で暫く話し込んでいたテギョンは、ポーター(荷物運び)とメイド、コンシェルジュが、会話を交わす中、ミニョに近づき、案内係に促されてそのひとつに向かっていた。
『ヒョーン・・・ここに泊まるのですかぁ・・・』
横を流れる風景は、砂浜と海と海に浮かぶ東屋。
大きな葉を付けた木々を見上げ、木の実を見上げ、きょろきょろしているミニョは、腕を伸ばしたテギョンの胸に嬉しそうに収まった。
『ご不満ですか!?』
ぶんぶんと思い切りよく振られた首に笑みを零し、辿り着いた部屋で、ポーターに礼を言ったテギョンは、早速バルコニーへ出て行ったミニョを見つめていた。
『わーわー、きれーい、空気も美味しー』
両手を広げて深呼吸をするミニョは、手摺に掴まって目の前に広がる景色を堪能している。
『気に入ったか!?』
前立てのボタンを外しながらベッドに座ったテギョンは、指先を曲げた。
『この前のホテルも綺麗なところでしたけどーまーた違う感じでとっても素敵です!』
『ふ、そうか・・・』
呼ばれても近づかないミニョは、調度品を眺めて回り、釣られて周りを見渡していたテギョンの前に漸く立っていた。
『どうした!?』
テギョンを見下ろした顔は、とても嬉しそうだ。
『えっと・・・その・・・1週間・・・ですよね・・・』
1本だけ立てて見せた指を左右両方立てて、2本指をじっと見たミニョは、指越しにテギョンを見つめ、もじもじしている。
『1週間だな』
『1週間オッパとずっと一緒・・・ですよ・・・ね・・・』
『休暇だからな』
『ふっ、ふたりだけっですよねっ』
『ああ』
ツと動いた足元を見ているテギョンは、ツツと前に出る足を見つめたままミニョの手首を掴んで引き、倒される勢いに咄嗟に目を閉じ、ベッドに転がるミニョは、けれど背中をしっかりテギョンの腕に支えられ横になっていた。
『あ・・・』
縮こまった体が、緩やかに開き、覗き込んでいるテギョンと目を合わせた。
『短いけどな』
乱れた髪を梳き、一房を手に残して口付けるテギョンは、額の髪を掻き分け、口付けた。
『そのうちな・・・世界一周でも連れて行ってやれれば良いが・・・』
『それは、難しいと思いますっ!ヒョンを待ってる方が沢山いらっしゃいますっ』
自信満々な返答にクッと笑ったテギョンは、ミニョを囲み、頬に口付けた。
『他の事を考えるなよ!1週間は、お前のものだ!コ・ミニョも俺だけのものだろう!?』
唇が吐息と共に塞がれた。
深く、長く、シャツを掴んだ手が、覆い被さる頭を捉え、もっと深く重ねられた唇に小さな返事を返して、繋がっていたふたりだった。