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1週間があっという間に過ぎて行った。
テギョンは旅行の計画を考え、シヌは、ミナムとジェルミに休みの事を伝えていた。
『うー、ミニョも一緒に行くんだよねー・・・』
『当り前だろう・・・それが目的の休みだ』
『それってやっぱり俺のせい!?』
『お前のというよりもテギョンが、耐えられなくなったんだろう』
『耐えられないって!?』
休憩しようと音楽を止めたミナムが、シヌとジェルミにタオルを投げ渡し、ペットボトルを開けて水を飲み始めていた。
『ここのところ何かと話題になる事が多かったからな!それに連れて妙な書き込みをする奴も増えているし、メディアだって、鵜呑みにはしないだろうけど面白いとネタになるからな』
悪意は無くても興味はあるとシヌが、ジェルミにペットボトルを放りながら言った。
『お前だって悪意があった訳じゃないだろう』
『そっ、そんなの全くないよー!俺はただ、ヒョンとミニョが幸せならそれで良いっ』
座り込んだジェルミは、ミナムの食べている菓子を物色し始めた。
『コレクションに行く前のミニョも少し様子が変だっただろう』
立ったままでミナムを見たシヌを動きを止めたミナムもゆっくり振り仰いだ。
『知っていただろう!?』
『ああ、まぁ・・・ね、シヌヒョンも気づいてたんだ』
『ああ、元気が無いというか・・・女特有というか・・・』
『まぁ、そんな事もあるだろうな』
『ああ、だから、何も言わなかったんだが・・・』
『それって生理ってこと!?』
ひょいとミナムの持ってる袋からひとつ口に放り込んだジェルミが、ふたりを見上げた。
『ジェルミちゃーん露っ骨ぅー』
『ヌナ達が露骨なんだよー、そういうこと平気で言ってんじゃん!ヘイssiっだってこの前・・・』
ぐるんと音がする程首を動かしたミナムにジェルミの動きが止まり、視線を合わせたふたりは、無言で見つめ合い、暫くして俯くジェルミに舌打ちをしたミナムがシヌを見た。
『まぁ、元気が無いのは、それもあるかなと思ってたけど、でもさ、それより、もっと根本的な事っ!』
『ふたりは寝たのかって事か!?』
『潔癖でもさぁ、ヒョンだって、健全なオトコのコでしょう』
『まぁ、そうだろうな』
『出来ないと思う!?』
『出来ない事はないだろう。あいつ、結構、お触り好きだぞ』
ジェルミとミナムの頭にテギョンとミニョが浮かび、それぞれ頭に描いたふたりに頷いた。
『まぁ、俺達と一緒に住んでるからその辺は、自重してるんだろうけど』
『ミナムはしてないよねー』
『俺の事はいいんだよっ』
『俺は・・・聞くな』
『ジェルミはどうなんだよー!恋人!作らないのか!?』
『そういう風に思える子に会わないんだよ・・・』
テギョンとミニョの話をしながら溜息が零れるのは3人の宿命の様だ。
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『行きは、別々に出発する・・・帰りは・・・』
テーブルに計画表を拡げて旅行の日程を説明するテギョンは、頷いたアン社長に確認をしていた。
『良いも悪いもお前達は、婚約をしているから別にいつ結婚してくれても構わないとは思ってるぞ、それにミニョssiの契約もそれを前提にしてる・・・まぁ、ただ・・・子供だけは、避けて貰いたいけどな・・・』
言い難そうにでもはっきり告げるアン社長にテギョンもはっきり答えた。
『解ってる』
『お前の事だから信用は・・・してる。だが、絶対が無いのが世の中だ。注意をしても満が一もある。だったら、さっさと結婚をしてくれた方が安心だな』
『ああ、じゃぁ、そういうことで記者の操作は頼む』
『良いだろう。その代りひとつ頼みを聞け』
『頼み!?』
『ああ、モ・ファランssiの事だ』
眉間を寄せるテギョンに唇を噛むアン社長と暫く無言の対峙が続いたのだった。