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何気ない仕種にドキリとさせられる。
何気ない。
本当に何気ない。
オッパの微笑み。
顔をあげていられなくて俯いてたらオッパが近づいてくる気配がした。
『どうした!?ミニョ!?』
呼ばないで欲しい。
咄嗟にそう思った。
何だろう。
名前を呼ばれただけなのに体が熱い。
暑くて熱くて、焼けていると思えるほど本当に熱かった。
『コ・ミ、ニョ!?』
不思議そうにこっちを見ているのが解る。
でも、顔はあげられない。
熱い理由を自分は知っていて、それは、オッパの声のせいだ。
どこか甘い。
どこか艶めかしい。
どこか。
『コ・ミニョ!?どうかしたのか!?』
伸びて来た腕に頬をそっと撫でられて、ギュッと握り締めた拳に全てを悟られたのは一瞬だった。
『ふぅん・・・』
ニヤリと笑っているのは判ったけれど顔は上げられなかった。
だから、デッドゾーンを塞いでいた手を握られた時は、もう覚悟を決めていた。
『俺の声で落ちるのは、お前が俺に感じてる証拠だろう・・・』
クククと耳元で笑うオッパの声と手に翻弄され続けた夜だった。