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Far away, to you, I want to say(お家に帰ろう)!?(16)

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空港は、スクープされた記事の事実確認を伝えようという記者で溢れかえっていた。
ミニョの肩を抱いたテギョンは、繰り返される質問に僅かな笑顔を浮かべて答え、ミニョへ向けられる質問はさりげなく遮って歩いていた。
『婚約は、事実です。結婚については、時期を見て、会見を設けます』
『プロポーズをなさったのですね』
『どんなプレゼントを・・・』
『式の日取り・・・』
飛び交う質問にそれ以上は、答える気が無いテギョンは、遠巻きに見ていたマ・室長を見据え、合図を送った。
『すみません!もう、その辺で・・・』
引き連れた警備員を記者の前に立たせたマ・室長は、テギョン達とエレベーターに乗り込み車に向かった。
『ったく、想像以上だな・・・』
『すっごい人ですねー』
『国民的スターなんだから仕方が無い!人気があって良かったな』
『ふ・・・ん・・・それで、モ・ファランの方は!?どうなった!?』
記者の質問の中にファランの名前も出ていた事を聞き逃していないテギョンは、携帯を取り出して聞いた。
『ああ、アルバムで決まった・・・子供の事は、まだ、曖昧にしてる』
『ふ・・・ん・・・俺だと解った途端、アボジも当事者になるからな・・・』
遠い異国からのメールをミニョに見せたテギョンは、そこに書かれた心配の文字に笑っている。
『まずは、コ・ミナムとコ・ミニョを守る為だ・・・当分は、このまま、結婚報道で騒いで貰う』
未曾有、有像の諸々の意図を全く理解できていないミニョの不思議顔を無視して車に乗り込んだテギョンは、マ・室長から鍵を受け取り、ミニョの肩を抱いて胸に押し付け、目を閉じてシートに沈んだ。
『車は、ホテルに置いてあるぞ・・・ファランssiと会うんだろう』
『ああ、アルバムに決めたなら、その打ち合わせをする。ミナムも来るんだろう!?』
『ああ、仕事だと伝えてある』
『権利を握っているのはミナムだからな・・・あいつの許可がなければ無理だろう』
『ミナムは、ひとりでファランssiに会いに行ったらしいぞ』
『あ!?』
『雑誌を持ってファランssiに会ったと言ってた』
とりとめのない車内の会話に最初こそ不思議顔だったミニョだが、うとうとしていた目が閉じていつの間にか眠ってしまい、傾いた顔がテギョンの肩で崩れていた。
『チッ!やっぱり寝ぎたない奴だな・・・』
それでもミニョが心地よいだろう体制に腕を変え、眠った頭を引きよせたテギョンも再び目を閉じた。
『着いたら起こしてくれ』
『ああ、解った』
肩越しにテギョンを見たマ・室長は、たった今、撮られたばかりの映像と写真を確認し始め、運転手に行こうと促していたのだった。